九州オルレ香春コース 秋冬フェア

Blog 筑豊見聞録

真っ青な空の下、香春岳 (福岡県香春町)を見上げながら田んぼ道をのんびりと歩く。肌に触れる風が気持ちいい。

トレッキングコース「九州オルレ」では11月から、多くの人にコースを楽しんでもらう「秋冬フェア」が始まる。

歴史や鉄道、パワースポットが目玉の「筑豊・香春コース」で、香春オルレの会会長の加治忠一さん(82)や事務局長の桃坂豊さん(61)たちと秋の一日を楽しんだ。(荒栄達也)

コースのスタートはJR日田彦山線採銅所駅。この地名線採銅所は、香春岳で奈良時代に銅を産出したことに由来する。モダンな木造駅舎を前に「外観は大正4 (1915) 年の開業時のまま。駅舎内のシャンデリアも」と加治会長は言う。

しばらく歩いてから山道へ。坂はだんだん急になり、息が荒くなる。途中、道を横切る倒木に「青春の門」の看板が掲げられていた。 香春岳が五木寛之さんの小説に登場するからだ。

歩き始めて約50分、標高300Mの「矢山の丘」頂上に着く。木につるされた鐘を鳴らすと幸運が訪れるそうだ。

「ある夜、誰もいないはずなのに鐘の音を聞いた。 きっと猿が鳴らしたんだ」と桃坂さん。

銅山坑口跡 「神間歩」などを経て柿畑に入る。 実が黄色く色づき始めていた。 眼下を列車がゆっくりと走る。

「ほっとする景色でしょう。コースで一押しの場所」と桃坂さん。コース中盤にあり、高さ20Mの石垣の上を線路が通る「第二金辺川橋梁」とともに鉄道愛好家に人気のスポットだ。

コース終盤の「元光願寺の大クス」や「香春神社の山王石」はパワースポットとして知られる。 樹齢800年と伝えられる大クスは昔、大雨で土砂崩れが起きた際に地域の被害を軽くしたという。

高さ4.2Mの山王石は1939年、香春岳一ノ岳から突然落下したが、社殿は直撃を免れ、人の被害もなかった。

香春神社で会った女性たちは、年に数回あるオルレのイベントで、参加者に対するおもてなしを続けてきた。でも今回のフェアでは、感染防止ため接待は中止。メンバーの一人は「残念だけど、神社に来た人を笑顔で迎えたい」と話した。

香春駅でゴール 11.5㌔、高低差約300M。通常は4~5時間かかる。今回同行した福岡市の主婦、岡部美貴さんは九州と韓国の全オルレコースを踏破し、会員制交流サイト (SNS) で発信している。 香春コースについて「自然いっぱいで飽きない。 スタート・ゴール地点が駅なのも便利。 この地での出会いやコースを守るスタッフの熱心さも魅力です」と笑みを浮かべた。(記事は、西日本新聞2021年10月27日付朝刊より)

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