日本山岳遺産 嘉穂アルプス

日本山岳遺産 嘉穂アルプス

筑豊、筑後両地方の境となっている通称嘉穂アルプスは、2016年に日本山岳遺産に認定されました。古処山、屏山、馬見山の3つにより構成され、それぞれひとつづつ登ることも、3つの山を峰伝いに縦走することもできます。そんな嘉穂アルプスにはどんな魅力があるのでしょうか。

嘉穂アルプスの環境

嘉麻市と朝倉市の境界付近には、筑後川県立自然公園とされ人々の足も絶えない。この自然公園は、古処山、屏山、馬見山という名峰が中心となっている。ちなみに、嘉麻市にある農産物即売施設「カッホー馬古屏(まごべい)」は、この三山の名称が由来である。

古処山、屏山、馬見山は東西方向に山の稜線を縦走し、広葉樹に囲まれたみど緑豊かな環境のなか、野鳥のさえずりを聞きながら自然に親しめる。特に、古処山の山頂付近に群生するツゲ原始林や、遠賀川の源流を擁する馬見山付近はみどころが多く、澄んだ空気の中で見渡せる星空が魅力となっている。

嘉穂アルプス上空に広がる星空

古処山~屏山~馬見山、縦走すると

標高860mの古処山山頂付近で群生する原始林は、まさしく筑豊の秘境のひとつ。まるで日本庭園をみるかのような錯覚におちいるほどで、知る人ぞ知る自然遺産観察スポットである。いかなる名文でもこのすばらしさは、目の当たりにしないとわかりにくい。写真ではその良さを実感できない。昭和27年に国の特別天然記念物とされて以来、この景勝地を目当てに多くの登山客が訪れている。

古処山ツゲ原生林

古処山は、国道322号線の八丁峠の林道へ入り、登山道に至る。付近には秋月街道の八丁越古道もある。嘉麻市側の登山口から山頂までの時間は約4~50分程で、ここから東へは屏山(標高926.6m)、馬見山(標高977.8m)と続く。屏山から馬見山へは途中宇土浦越を経て上り下りしながら、南側の朝倉市をみると江川ダムを見下ろすことができる。

八丁越の古道

屏山ではヒトリシズカに出合え、馬見山にはブナが自生するブナ尾根や花崗岩(かこうがん)の巨石群、ヤブツバキの群落が見られる。先に紹介した古処山とともに、豊かな生態系に満ちていることで知られる。これら三山を縦走するルートは、九州自然歩道にもなっており管理もされ人の歩みが絶えない。

嘉穂アルプス(馬見山、屏山、古処山)

日本山岳遺産

通称〝嘉穂アルプス〟は、2016年に「日本山岳遺産」に認定された。登山専門誌を発行する「山と渓谷社」(東京)が基金を創設し、自然や人々の営みが豊かな山岳地域を認定しており、福岡県内では初めて。

遺産の認定では、嘉麻市の「嘉穂三山愛会」の活動が評価された。同会は2010年4月に結成され、会員は18人。元日の馬見山初日の出登山、5月の馬見山山開き、8月の古処山探検隊を主催し賑わいをみせている。これらイベントに際し、日頃からの登山道整備や清掃活動を展開している。

馬見山の麓にある遠賀川源流の地

また最近は、馬見山と屏山の間にある頂きの一つに新名称をつける募集をおおこなったところ、「江川岳」というあらたな峰も生まれた。国土地理院の地図登録を目指しており、周辺住民からの親しみも多く寄せられている。嘉穂アルプスをめぐって、あらたな地域づくりの息吹もみられ、今後が期待される。

手前の頂が江川岳(右側が屏山、中央が古処山)
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