トレッキングの穴場 岩石山から奇跡の自然造形美

chockstonethumb Blog 筑豊見聞録

この記事でわかること

  • 登山にあたり(登山道入口と岩石山にまつわる歴史について)
  • 登山道の周囲には自然の神秘に
  • 岩石山の見どころと訪問のポイント
  • アクセス・基本情報と周辺スポット
春祭りの頃の岩石山

田川郡には気軽に登山を楽しめる標高の低い山がいくつかある。そのうちの一つ、岩石山(がんじゃくざん)は標高454mで、登山道は一部急な箇所があるものの比較的登りやすい。添田町と赤村という二つの町村にまたがるこの山、添田側から登る人が多い傾向にあるが、赤村からも登るルートがある。今回はこの赤村ルートの登山道から、この山のユニークさを味わってもらいたい。

登山にあたり(登山道入口と岩石山にまつわる歴史について)

岩石山登山道入口あたりにて
岩石山の案内板

赤村から岩石山山頂までの登山道は二つのルートがあり、そのひとつ岩石不動を経て山頂へと向かうルートを案内しよう。

登山道の入り口は、岩石トンネルの赤村側入り口付近から左へと向かう林道の中にある。看板を見逃さなければ、入り口はすぐにわかるようになっている。

岩石山は山頂部を中心として、山城でした。詳しくはこちら⇨岩石城の栄枯盛衰

その歴史は古く、平安時代の末期にはお城が築かれたとある。それから戦国期の終わりに、天下統一を目指す豊臣秀吉により攻略され落城し、一時的に小倉藩の支城として活用されていた。元和元(1615)年一国一城令によって、お城としての生涯を閉じたという。

登山道の周囲には自然の神秘に

登山道は人々の往来があるためか、よく踏みならされた道が続いている。入り口から10~15分ほどで、山からの湧き水がある岩石不動の祠に着く。自然の湧水、しかも人々の生活からかけ離れた場所にあるため、清廉な水に恵まれている。

さらに10分ほど登ると、今にも落ちてきそうな巨岩の合間に出くわす。一方で針の耳など地元の人たちが呼ぶ岩場もあり、自然が織りなす神秘を目にすることができる。

山頂付近近く、山城の内部に入るところには、獅子岩(国見岩)大砲岩八畳岩といった自然の神秘にも出くわす。なお、この獅子岩(国見岩)によじ登れば、下のパノラマ写真のような眺望を目にすることができる。

獅子岩(国見岩)
獅子岩(国見岩)からみるパノラマ

岩石山の見どころと訪問のポイント

岩石山の最大の魅力は、登山道そのものが野外博物館のような趣きを持っている点にある。針の耳、獅子岩(国見岩)、大砲岩、八畳岩といった個性豊かな巨岩群は、何万年という歳月をかけて自然が彫り上げた造形美そのものだ。これほど多様な奇岩が一つの登山道に凝縮されている山は、筑豊でも珍しい存在といえる。山頂に近づくほど視界が開け、添田町や赤村の田園風景、さらには遠く英彦山の稜線まで見渡すことができる。

山城としての歴史も見逃せない。平安末期から戦国期にかけて機能した岩石城の遺構は、山頂一帯に今もその痕跡を残している。豊臣秀吉の九州平定の際にも攻略の対象となったこの山は、単なる自然の山ではなく、筑豊の歴史と人々の営みが刻み込まれた場所でもある。登山を楽しみながら、足元に広がる歴史の重みを感じてほしい。

アクセス・基本情報と周辺スポット

赤村ルートの登山口は、岩石トンネルの赤村側入り口付近から林道へ入ったところにある。看板が整備されているため、初めての方でも比較的わかりやすい。岩石不動の湧き水は登山途中の休憩ポイントとしても人気で、清らかな水に心が洗われる思いがする。登山装備は軽めのトレッキングシューズで問題ないが、急斜面もあるため滑りにくい靴底のものを選びたい。所要時間は往復で2〜3時間程度が目安だ。

岩石山の周辺には、赤村の豊かな自然環境が広がる。平成筑豊鉄道の内田駅から歩いてアクセスすることも可能で、列車旅とトレッキングを組み合わせた楽しみ方もおすすめだ。春には山麓に桜が咲き、秋には紅葉が登山道を彩る。四季折々の表情を見せる岩石山は、地元の人々が繰り返し訪れたくなる筑豊の宝の山である。


この記事を書いた人

松浦幸市(筑豊百景プロジェクト・経営コンサルタント)

中学高校社会科教職員免許・学芸員資格保有。福岡県田川郡福智町を拠点に、2020年より筑豊地方を中心に現地取材を重ね、訪問した事業所・文化施設は延べ100件以上。一次情報にもとづく筑豊の歴史・文化を専門的な知見で発信し続けている。

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