この記事でわかること
- チロルチョコの生みの親 松尾製菓株式会社
- チロルチョコ誕生とサクセスストーリー
- ご当地限定 知っ得チロル
- 田川から全国へ チロルチョコが結ぶ縁
チロルチョコの生みの親 松尾製菓株式会社
チロルチョコ株式会社は、東京の神田に本社を設立しています。チョコレートの企画、販売を主な事業として、トレンドに敏感な人たちのニーズをいち早くキャッチする企業活動を展開中です。 しかし、チロルチョコの製造そのものは、東京で製作されるわけではなく、松尾製菓株式会社という田川市に工場をもつ老舗菓子製造会社からのものです。この松尾製菓株式会社、田川市とその周辺に暮らす人々には馴染みが深いのですが、この地域から外にあっては知る人が少なくなってしまうようです。では、松尾製菓株式会社について、少し詳しくお話しましょう。チロルチョコ誕生とサクセスストーリー
松尾製菓は、現在の田川市伊田に1903(明治33)年創業の老舗です。戦前に株式会社化、戦後の復興期に2代目社長松尾善宣が製品化したチロルチョコ(1962年発売)として知られる。当時高級品とも言われたチョコレートを、たくさんの子ども達に与えたいという2代目の思いが、10円チョコレートという形に結実した。ちなみに「チロル」というネーミングの由来は、オーストリアのチロルという地名によるとされ、その地に広がる雄大でさわやかな自然がイメージされている。 1970年代からのオイルショック時に、20円、30円と値上げを余儀なくされたことで売り上げ激減という、社の命運をかけた時期もありながら、現在は400種類を超えるラインナップという豊富さ。2003年には「きなこもち」を発売し、口コミ効果も重なって5カ月で約1,700万個というヒットを記録。次の年に東京へ進出し、チロルチョコ株式会社を設立という軌跡をたどってきた。ご当地限定 知っ得チロル
現在松尾製菓の本社付近には、「チロルチョコアウトレットショップ」という直営店があり、人気が集まっている。B級品や規格外品を格安で販売しているとあった、直営店ならではの大きなメリットにあやかる人がせっせと買いに来る。料金は重量制で、未包装の商品は570g入って500円と、通常価格よりリーズナブル。甘いものには目がないひとにはとにかくうれしい。 ご承知のとおり、チロルチョコは数えきれないほどの種類のチョコを扱っています。このため、このアウトレットショップに並ぶお買い得品も、その日、その時の工場の稼働状況により大きく変わってきます。そこがちょっとした楽しみとなります。もちろん、正規品とはことなるものの、これだけの量がパックされているため、コストパフォーマンスはかなり高いとほとんどの人が感じます。 田川にお越しの際はぜひとも寄っていただきたいスポット、一度はのぞいてみてください。

田川から全国へ チロルチョコが結ぶ縁
明治33年創業の松尾製菓が、なぜ炭坑の街・田川でこれほどの歴史を刻んでこられたのか。それは石炭産業で賑わった田川の地に根ざし、地域の人々の暮らしとともに歩んできたからではないだろうか。チロルチョコが誕生した1962年はまだ石炭産業の活気が残る時代で、子どもたちにチョコレートを届けたいという2代目の思いは、活気ある炭坑町の日常と重なっていたはずだ。
現在、松尾製菓本社近くのアウトレットショップは地元の人々に愛されるスポットとなっている。重量制の格安販売という独自のスタイルは、訪れるたびに品ぞろえが変わる宝探しのような楽しさがある。田川市を訪れた際には炭坑の歴史スポットとあわせてぜひ立ち寄ってほしい。筑豊が育てた甘い一粒が、全国の人々の日常に溶け込んでいるという事実は、地元の誇りそのものだ。
この記事を書いた人
松浦幸市(筑豊百景プロジェクト・経営コンサルタント)
中学高校社会科教職員免許・学芸員資格保有。福岡県田川郡福智町を拠点に、2020年より筑豊地方を中心に現地取材を重ね、訪問した事業所・文化施設は延べ100件以上。一次情報にもとづく筑豊の歴史・文化を専門的な知見で発信し続けている。


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