キハ2004のクラウドファンディングによるインターネット募金活動を通して、「キハ2004」の動態保存、活用を決めたというニュースを目にした方も多いだろう。
ここはまず、賞賛と安堵の思いを表敬したい。
それとともに、平成筑豊鉄道というローカル線に対し、これほどの人々が協力してくれたことに大きな驚きと、あらためて諦めない気持ちが最後に結実するということを実感させられた。関係者の方々に心からご苦労様でしたと、そしてこれからも応援していきますと申し上げます。
今回のこの成功事例、筑豊に住む私たちも学ぶべきところは多い。
まずは、先ほど申し上げたように、諦めないで行動し続ける勇気。これは何事にも変えがたいもの。そして最後まで希望を捨てない。関係者のこうした姿、ぜひ胸に焼き付けておきたい。
この一方で、この「キハ2004」金田駅構内だけでの動態保存は、ちょっともったいないような気がする。
確かに一度廃車したならば、車両として営業路線を運行することは考えられないことだ。しかし、実際にエンジンは起動する上に、少し前までは通常運行していたのだから、営業路線を走行することも難しくはないだろう。
乗客を乗せた運行となれば、安全性が問われる。しかも、半世紀の走行をしたとなれば、そこを問うのもごもっとも。平成筑豊鉄道の営業路線を走ることは、本当にできないことなのだろうか。
かつての田川線、糸田線、伊田線は、明治期の早い段階で開業した、地方鉄道でも珍しい歴史がある。以前「現役路線の鉄道博物館」構想を提案したが、沿線にあまたある明治~昭和の鉄道遺産とのタイアップすることができるのが「キハ2004」。そして、大きく改変されることのない沿線の景観は、「キハ2004」が走るとその演出効果は大きい。これは鉄道ファンにとっては見逃せないだろう。
これを淡い夢と思うのは、筆者のみだろうか。数々の壁はあろうけど、ぜひ前向きに諦めずに向き合っていきたいところではないか。
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キハ2004を守る会
https://www.facebook.com/HEICHIKUkiha/
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