直方市山部の馬場崎博司さん(65)が「直方の街を活気づけたい」と市の中心商店街などで人力車を引いている。
同市は明治初めに人力車を発明した和泉要助の故郷でもあり、人力車の街」をアピールしたいと張り切っている。
人力車は、直方文化連盟が和泉要助の生誕180年を記念して2010年に購入した。
だが、これまでは結婚式やイベントの際に使われるだけで、通常は複合文化施設ユメニティのおがたのロビーに展示されていた。
馬場崎さんは数年前、大分県の観光地・湯布院で、季節に関係なく引き手が懸命に引いている人力車を見て「お金を払ってでも人力車を引きたい」と思ったという。
一昨年末に大手スーパーを退職後、直方文化連盟が人力車を引く「車夫」の養成講座を初めて開くことを知り、昨年6月に受講。9月下旬から商店街などで引いている。
市街地で人力車を引くのは、火曜を除く平日の午前10時半から2時間ほど。
JR直方駅に近い明治町、中町両商店街や駅前の規早銅像前などに待機、通り掛かりの人や観光客から希望があれば、商店街や市街地を3分ほど乗せて回る。
乗車は1日平均7、8人ほど。料金は無料だが「志」をもらうこともあり、修理代などに充てたいという。
人力車の引き手にふさわしく、と髪を伸ばして頭の後ろで束ね、ひげも蓄えた。
現在は直方文化連盟の「人力車ふる里を走る」委員会の委員長も務める。集会や会合などでも人力車のPRを忘れず「人力車イコール直方と思ってもらいたい」と意気込む。
直方文化連盟の中村幸代会長(70)は「人力車を観光資源として活用してもらい、直方の歴史や文化を知ってもらう機会になれば」と期待している。
人力車をイベントなどで使用する場合は有料。馬場崎さん090 (3601) 1033。 (木下良弘著)
西日本新聞2015年1月9日付朝刊筑豊版より
明治時代に発明された人力車は、直方生まれの和泉要助が生みの親の一人。
それをアピールしようと、街の活性化にと市民が活動している。 以前の投稿で人力車と和泉要助については取り上げたが、ふるさとにはまだまだ知られざるモノがたくさんある。
そして、それはオリジナリティーに溢れていることが多く、地域のブランドに華を添える。 今後はそのオリジナリティーを一つでも多く見つけ出し、モノとモノどうしを関連づけてくると、一つのストーリーが生まれる。
直方で活用されている人力車、今は単独での活用に留まるが、あるテーマのもとで語るとストーリーが生まれ、さらに魅力あるモノになるかもしれない。
例えば、明治期に商工業が集まり、炭坑社会でも独自の街が開けたという歴史的背景にテーマを絞るとか。 筑豊のこれから、まだまだ楽しみではありませんか?
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