個人事業主、中小企業向けモール型ECプラットフォームの選び方

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商品やサービスをマーケティングし、収益をあげるためにE Cサイトを構築する事業者が右肩上がりに増えています。インターネットを活用することで何かと利便性が良くなり、事業者側も消費者側も身近な存在になってきました。副業としてE Cサイトを開設しているなんて人も少なくありません。

ここでは、誰しもが一度は利用したことのあるモール型ECサイト(アマゾン・楽天・Yahooストア)を開設する場合、どんなメリット・デメリットがあるのかをあらためてまとめてみました。

eコマースの定義、そしてモール型ECサイトとは?

まずはeコマースの定義についてと、モール型ECサイトとは何かを話したいと思います。

 eコマースとは、インターネット上で商品やサービスを売買するあらゆるタイプの商取引と定義されています。Amazonのようなオンラインショッピングサイトから、Netflixのようなサブスクリプションサービスまで、あらゆるものが含まれます。

では、モール型ECサイトとはどれを指して言うのでしょうか。

主なメリットは、複数の事業者が一元的に運営できるプラットフォームを提供するため、お客様が探しているものを見つけやすいことです。

また、規模が大きいため、問い合わせに迅速かつ効率的に対応できるため、個別店舗よりもカスタマーサービスが充実していることが多いことが挙げられます。

一方、モール型ECサイトには、いくつかの欠点もあります。

例えば、モール型ECサイトでは、複数の業者が一堂に会することが多いため、どの業者が最良の価格や商品を提供しているかを判断することが難しい場合があります。

また、このようなサイトでは、個人商店に比べ、購入した商品がどのように扱われるかをコントロールすることができないため、顧客に合わせた体験を提供できない場合があります。

そして、最もハードルが高いと感じるのが、初期投資とランニングコストです。

ショッピングモールでのECサイト開設のメリット

ショッピングモール、つまり実店舗を大型店で営業している場合、ECサイトを開設するメリットについてまとめたいと思います。

ご存知の方も多いと思いますが、ショッピングセンターではデジタルリテイリングへの移行が進んでいます。

この流れにはメリット・デメリットがありますが、ショッピングモールにeコマースサイトを開設することは、より多くの人にアプローチしたい企業にとって有益なことだと考えられています。 

まず、ショッピングモールでeコマースを展開することのメリットについて説明します。

一つは、お客様の利便性が向上することです。オンラインで商品を購入するために、物理的に店舗まで足を運ぶ必要がなくなります

つまり、より多くの人にあなたのビジネスを知ってもらうことができ、売上が大きく伸びる可能性があるのです。

さらに、買い物客は自宅やオフィスから出ることなく、価格を比較し、十分な情報を得た上で迅速に決断することができます。これは顧客満足度の向上につながり、将来的に多くの人が再び購入に訪れる可能性があります。

また、自社サイトや実店舗を持たず、ネット通販に参入したい企業にとっても、買い物客が定期的に訪れるモールなどの既存インフラを活用できるため、一から自社サイトを立ち上げたり、モール内の実店舗スペースを別途借りたりするのに比べ、設立コストを大幅に削減できます。

ショッピングセンター内の店舗であれば、駐車場や屋台などの設備も利用できるため、自宅や商業施設の外で独立開業する場合には追加投資が必要になることもありません。

しかし、モールにEコマースサイトを出店する場合、その利用料や、近隣の小売店との競合など、デメリットもあるため、他の販売者との差別化を図るために、独自の商品提供やプロモーションを行うことが重要です。

結論として、ショッピングモールにEコマースサイトを出店することには賛否両論ありますが、ショッピングセンターが提供する既存のインフラを活用しつつ、オンラインで新しい顧客を開拓したい企業にとっては、バランスよくメリットがあると思います。

ただし、同じ市場内で他の販売者との競争に直面した場合、確実に成功するためには適切な計画を立てることが必要となります。

3大モール型ECサイト(楽天・Amazon・Yahoo)の特徴

ショッピングモールに実店舗を構えなくとも、ウェブ上のショッピングモールに店を構えるようなイメージでその集客力を援用し、売上の向上を目指したいという事業者様は多いと思います。

インターネットで買い物、あるいは欲しい物は決まっているからわざわざ足を運んで買いに行くより、スマホでポチポチして簡単に買い物してお家に届けてもらいたい…

そう思った時に大多数の人が脳裏に思い浮かぶのが、上記3大モール型ECサイト、楽天・Amazon・Yahooではないでしょうか。

これらに出店したいとご検討中の、個人事業主、中小企業の経営者・担当者、そして新規の事業をこれから展開したいという起業家の貴方のために、以下では3大モール型ECサイトの特徴をまとめてみました。

事業規模に見合った選択、あるいは事業内容から見た最適な選択、そのために参考となれれば幸いです。

集客力の特徴

これまで各企業戦略によって、楽天・Amazon・Yahooは独自の企業価値を創出しつつ、その集客力向上に努めていることがわかります。その集客力を弊社独自目線で分析した内容が、以下のものになります。

楽天

TV CMでもよく見かける楽天カードとそのポイント制度、または楽天トラベルをはじめとする各種サービスは、今や日本国民では知らない人はいないと言っても過言ではないほどのネームバリューを持っています。

つまり、今や日本国民として楽天ブランドを見かけないところはない。そんなブランド力の基礎が楽天市場という仮想市場、つまり楽天モール型ECサイトのプラットフォームです。

なんと言ってもセールスをかける側として魅力的なのはその会員数ではないでしょうか。日本国民の総人口に匹敵するユーザーがいるというのはオドロキの事実。しかも、それは全てアクティブユーザーであり、登録だけの幽霊部員ではないことがさらに注意をひく。

Amazon

国内外で有数の巨大モール型ECは、プライム会員も含めた会員数は楽天に比べやや控えめ。

しかし、アマゾンは様々なカテゴリーで多種多様な商品を提供しているにも関わらず、売り手は買い手が求めている商品を簡単に見つけ、そのための迅速な対応が可能であることで知られます。

さらに、アマゾンのフルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)プログラムにより、販売者は注文の梱包や発送などのフルフィルメント業務を、自社内で処理する代わりにアマゾンの倉庫に直接委託することができるシステムを構築しています。

これにより、顧客に効率的なサービスを提供しながら、間接費を削減することができ、かつ顧客にできる限り早くお届けしているというネームバリューがあります。

このサービスが気に入っているユーザーも多く、忙しい現代人にとっては有難いと感じつつ、いつしかリピーターとなっている傾向がつかめます。つまり、会員数を増やそうとマーケティングしているのではなく、繰り返し買ってもらえるための再販集客、サービス改善を心がけているのです。

Yahooショッピング

どちらかと言えばヤフオクの方がブランドイメージとして大きいと感じている人も多いと思います。しかし、マーケット規模は大きく、ソフトバンクやPAyPayのユーザーを抱き込んだマーケティングを展開しています。

特筆すべきは、Yahoo!検索とショッピングの連携によって、ニーズの高いユーザーを集めているということです。

複数のキーワードをもって、自分が欲しいものを探している一般的なユーザーは、購買意欲が高いため、自身のニーズにピッタリなものを見つければ有無を言わずに購入する傾向にあります。ここはYahoo!ショッピングの集客力でも大きな強みの一つと思われます。

運営コスト

ECサイトのみからの月商100万円の収益を上げると仮定し、各モール型ECプラットフォームを運営する場合、そのコストはどれほどかをシミュレーションしたのが下のグラフです。

3つのモール型ECのうち最もコスト高となるのが楽天、それにアマゾン・Yahoo!ショッピングの純でコストが低くなると見積もられます。

楽天は有料オプションによって、サイトのカスタマイズがある程度可能となります(月額2,980円の「compass for 楽天市場」と月額3,980円の「SUMAOU! for 楽天市場」など)。

出品者側のニーズに幅広く答えようとするためにある程度のコストがかかります。楽天はこのように考えているようで、サポート体制の充実からみてもコストが大きくなるのも理解できるところです。

一方、最安値のYahoo!ショッピングは、これから始めようとお考えの方にはうれしい部分がありますが、EC構築プラットフォーム(Yahoo!ストアクリエイターpro)は、初心者にとっては複雑で特殊な部分が多く、使いにくいという声も少なくありません。

一方Amazonでは商品毎に「出品」する形式を採用しており、ゼロからストアを構築する必要や商品ページを作成する手間もありません。小口出品の場合は出店料無料で始めることもできるため、コスト面、管理運営の労力削減を視野にすれば魅力的です。

まとめ

個人事業主や中小企業がモール型ECを導入する上で、楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングの中から選択する際のポイントをまとめてみましょう。

楽天

クレジットカード事業とリンクさせ、ポイント活用の促進とともに、自社サイトからの売上増進を目指している。今後もユーザー数が増えていく傾向にあるとみられ、ECからの売り上げを大きく伸ばしたいと考えている事業者には最適。

しかし、運用コストが比較的大きくなりがちになることも予想されるため、ECサイトからの純売上100万円以上で推移させていくとメリットが大きいと感じられます。また、最近では出店審査が厳しく、零細事業にとってはハードルと感じられる部分もあります。

Amazon

出店まで最短3日という事例も聞かれるほど、迅速さを売りにし、ECサイトのプラットフォームも使いやすく簡単という声が多く、いち早く開設し売り上げを上げたいと考える事業者にはピッタリ

この一方で、Amazonを活用し売り上げを上げていくには、商品のパッケージングや価格競争を検討していかなければならないために、他店との差別化がカギとなります。

Yahooショッピング

何といっても運用コストが安いという大きなメリットで、小さな事業にとってはありがたい。SEO対策によっては安定的な売上が見込めますし、PayPayユーザーの増加によってマーケットが拡大し、その恩恵に預かれる将来性があります。

ただし、Yahoo!ストアクリエイターproは初心者にとっては設定が難しく感じられる部分があり、これにともなうサポートをヤフージャパン以外の企業が下請けしている事例も見られます。この意味では初期投資が必要となるケースも生じる可能性があります。

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