AI技術は加速度的に進歩しており、仕事やビジネスに利便性をもたらす強力なツールとなりつつあります。中でも最も話題となっているのがChatGPTかもしれません。
このChatGPTは個人事業主、あるいは従業員規模の少ない中小企業にとっても、大きなメリットが生まれるツールです。一方で、その実態がよくつかめていないため不安視する人、あるいは国や企業のガバナンスも定まっていないために、上手な付き合い方がよく理解されていない部分もあります。
このような背景からAI技術を最大限に活用するために、ここではChatGPTの使い方をそのメリット、デメリットにふれながらお話しいたします。まだ使ったことがない、あるいはこれから使ってみようかとお考えの方、ぜひ参考にしてみてください。
ChatGPTで経営課題の解決を!
ChatGPTを使って市場分析、競合分析、新規事業の評価などの戦略的な意思決定をサポートすることにつながります。このように考える訳にはどんなことがあるのでしょうか?
ChatGPTは大規模なデータセットからトレンドや洞察を引き出すのに役立ち、意思決定プロセスを補完します。以下では具体的な活用事例を見ていきましょう。(ここではあえて無料利用できるChatGPT3.5からの事例を表示しています)
ケーススタディ:福利厚生のマネジメント
例えば福利厚生、男性職員の育児休暇率が低く、それを促進したいと考えている場合が、とある企業にあるとしましょう。
ChatGPTには
現在弊社では男性の育児休暇取得率が10%程度と伸び悩んでいる。このため、新規採用職員の応募数が少なく、新たな人材獲得に大きな障害が発生している。そこで、男性の育児休暇取得率を10%から20%に引き上げるためのプログラムを教えてほしい。
以上のような問いかけをすると、以下のような回答が返ってきました。
男性の育児休暇取得率を引き上げるためのプログラムを設計することは、多くの企業にとって重要な課題です。以下は、男性の育児休暇取得率を増やすためのプログラムの一般的なアプローチとアイデアです:
- 意識啓発と教育:
- 男性職員に対して、育児休暇の利点や重要性を明確に伝えるための意識啓発プログラムを導入しましょう。セミナーやワークショップを通じて、男性職員に育児休暇の権利と責任について教育しましょう。
- 柔軟な休暇制度:
- 男性職員にとって、育児休暇を取得しやすい制度を提供しましょう。柔軟な休暇制度、短期間の育児休暇、週単位の休暇など、さまざまな選択肢を提供することで、育児休暇を取得しやすくします。
- ロールモデルの設定:
- 既に育児休暇を取得した性職員を成功事例として提示し、他の職員に影響を与えるよう励ましましょう。彼らが育児休暇を取得した経験や利点を共有する場を提供し、他の男性職員に自信を持たせます。
- リーダーシップの支援:
- 組織のリーダーシップ陣に育児休暇を取得することの重要性を認識させましょう。リーダーが育児休暇を取得することで、他の職員に育児休暇を取得するメッセージを発信します。
- 育児支援サービス:
- 育児休暇を取得する男性職員に対して、育児支援サービスを提供しましょう。保育園の情報提供、育児クラス、育児アプリの利用支援など、育児に関連するリソースを提供します。
- 評価と報酬の連動:
- 育児休暇を取得することによるポジティブな影響を評価と報酬に結びつける制度を導入しましょう。育児休暇を取得した職員に特別な評価やボーナスを提供することで、取得率の向上を促します。
- フレキシブルな労働環境:
- リモートワークやフレキシブルな労働時間を提供し、男性職員が育児と仕事を両立しやすくします。
- 定期的なフォローアップ:
- 育児休暇を取得した男性職員に対して、定期的なフォローアップを行い、サポートとフィードバックを提供しましょう。育児休暇後も職場への円滑な復帰をサポートします。
- 多様性とインクルージョンの推進:
- 多様なバックグラウンドやライフスタイルに対応する文化を醸成し、男性職員が育児休暇を取得しやすい環境を構築します。
これらのプログラムやアプローチを組み合わせて、男性の育児休暇取得率を増加させるための包括的な取り組みを実施することが重要です。男性職員にとって育児休暇を取得しやすい環境を提供し、組織全体の多様性とインクルージョンを強化することが、新たな人材獲得と従業員の満足度向上につながります。
今回は、以上のような回答が得られました。
この中で、例えば「多様なバックグラウンドやライフスタイルに対応する文化を醸成し、男性職員が育児休暇を取得しやすい環境を構築します。」という最後の内容について、もっと具体的なことが知りたい、提案がほしいという場合に、該当の部分をそのままコピペして貼り付けると
例えば、特定のプロジェクトの締め切りに迫った際に、男性職員が育児休暇を取得しにくい状況が発生したと仮定しましょう。この場合、組織は以下のような具体的な取り組みを行います:
- リソースの分配と計画:プロジェクトリーダーは、プロジェクトのリソース分配を調整し、チームメンバーに育児休暇を取得する機会を提供します。代替のリソースやスキルトランスファーを計画し、プロジェクトのスムーズな進行を確保します。
- 柔軟なスケジュール:チームは、男性職員が育児休暇を取得したときにプロジェクトのスケジュールに適応できるよう、柔軟なスケジュールオプションを考慮します。進捗状況や緊急の問題に迅速に対応できるように計画調整を行います。
- チーム間の協力:チームメンバー間で連帯感を醸成し、お互いに助け合う文化を促進します。育児休暇中の職員と連絡を取り合い、協力してプロジェクトの負荷を分担します。
- 育児支援リソース:男性職員には、育児支援リソースへのアクセスを提供します。例えば、仕事と家庭の両立をサポートするための情報や相談窓口を提供し、育児休暇後の円滑な復帰を支援します。
というより具体的な内容を提示してくれます。
さらに「これをPDCAのサイクルに当てはめてみて」とリクエストすれば
- Plan(計画):
- 問題の認識: 育児休暇取得率の低さとその影響を明確に理解します。
- 目標設定: 育児休暇取得率を10%から20%に引き上げる明確な目標を設定します。
- アプローチの計画: 具体的なプログラム、意識啓発活動、柔軟な休暇制度などのアプローチを計画します。
- Do(実施):
- 計画したアプローチを実施します。意識啓発プログラム、教育セッション、柔軟な休暇制度の導入などを行います。
- 男性職員に育児休暇の権利と利点を伝え、リーダーシップ陣にサポートを依頼します。
- Check(評価):
- 実施後、男性職員の育児休暇取得率の変化を評価し、目標達成に向けた進捗状況を分析します。
- 育児休暇を取得した男性職員のフィードバックを収集し、プログラムの効果を評価します。
- Act(改善):
- 評価結果をもとに、プログラムを改善するためのアクションを実施します。必要に応じてアプローチを調整し、より効果的な取り組みを行います。
- 成功事例を共有し、他の部門やプロジェクトにも展開して、組織全体での育児休暇取得率向上に寄与します。
と言ったようにプランニングの基礎的な考え方を明確にできました。
ここまでの時間は、質問内容や提示された内容検討の時間を入れても30分かかっていません。まして、これには実費が発生していないため、無料でコンサルタントと打ち合わせをしたような結果が得られるようなものです。これはスゴイと思う方も多いと思います。
特に人材的にも、時間的にも、予算的にも限られたところが多い個人事業や中小企業にとっては、業務の効率化、負担軽減、情報収集の簡略化などメリットが多いと感じる方も多いでしょう。
メリットの陰にかくれたChatGPTのデメリット
こうしたメリットを活用する反面、注意したいのがデメリット。
基本的に検索サイトやWeb全体のアクセス傾向から、頻出するトピックには詳しいものの、いわゆるマイナーな分野には不十分な場合があります。
例えばご当地や地域の細かな情報や学術関係、先端技術関係には、十分な回答が得られないことが多い(ChatGPT3.5の場合)のが印象としてあります。
ということはWeb上にアップロードされているコンテンツの多寡に大きく左右されがちなのがChatGPTと言えるかもしれません。
このほか
①人工知能とは言え、必ずしもすべて完璧な回答を導き出すものではない。
②回答に目をとおすと、客観的ではあるが、文面が機械的になりがち。
この2点はAI技術の進展に期待を寄せつつも、実際に活用する場合は注意したいところです。
なぜこのようなミスが回答にあるのだろうと思えればまだいいですが、気づかずいるとその後の影響がはかり知れません。
お使いの人ならうなずける点とは思いますが、人工知能とはいえやはり最後は人の手によって創意工夫が必要というところがあります。
IQは優れている。けれどもEQはまだまだスコアが低い…
ゆえに人と人との共有、感動を覚える内容に仕上げていくには、まだ開発中、今後にゆだねられるといったところがあると思います。
また、一般的によく言われることとしては
・フィッシング詐欺や不正なコード作成への悪用
・不適切な発言、誤った内容がChatGPTで判別できずそのまま援用してしまう危険性
・オープンソースとして活用されているため、個人情報など機密漏洩の可能性がある
セキュリティ強化も含め、成熟したツールではないものとして扱うのが、現状としてはふさわしいと考えます。
まとめ
有料版となるものを使うことによって、こうしたマイナー分野もカバーしたサービスを提供しているようですが、日進月歩でウェブ上に情報発信されていない部分が少なからず目立ちます。
こうしたデメリットを踏まえて、例えば商品開発やサービス向上、説明会、講演会の構成と行程、プレゼン資料の作成など、これまでの情報がweb上に累積しているものであれば先ほどのようなリクエストと回答が得られます。
今まで上記のような内容に数時間から数日かかっていた負担を大幅に軽減できることになるのと同時に、常識的な範囲での内容、これまであまり知られていなかった新知見や業界内の動向なども知ることができます。
この一方、ツールとしては成熟したものではなく、セキュリティの問題も含めいくつかの改善が必要な状況がChatGPTです。
個人事業主や中小企業の経営者、担当者にとっては、メリット・デメリットをよく理解したうえで、その対策を常に念頭に置いて活用すべきというのが結論となります。
事業のDX化と言われ久しい今日ですが、中小企業などはまだその余地を多く残した状況です。少子化、高齢化のなかで人材が十分に登用できない、中小企業にとってはそんな時代が来るかもしれません。このような不足、リソースの補完をAIに求めることも増えるのではないでしょうか。
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