竹の廃材利用でもっともメジャーといっても過言ではないのが、ロケーションアートとして活用される竹灯籠や室内照明のシーリングかもしれない。ここではにわかにイベントなどで夜景演出、ライトアップなどで人気を集める竹灯籠、竹材を使ったシーリングにターゲットを当ててみよう。
夜景演出という新たな役割〜竹灯籠ロケーションアート
温泉旅館や和風料亭、お寺や神社などで重宝される事例が増えているのが竹灯籠。
普段からのおもてなしやちょっとしたイベントなどで見受けられる。
竹に包まれた光はやさしさに満ちており、訪れる人を和ませる。
夜のひと時に癒しを演出するには最適なツールとして、あちこちで活用され、その様子がSNSユーザーにより拡散されている。
もともとは廃棄される予定となっていたものが、姿を変え夜景の癒しというあらたな役目を得たような格好だ。
ちなみにこの竹灯篭は、製作が簡単で子どもにも楽しめるものとして親しまれている。
インターネット上には「竹灯籠キッド」という工具と竹材をセットにしたパッケージも、Eコマースにて取引されているようだ。また、その手軽さから体験活動や学校での図工の時間に取り組む事例もある。
マルチな用途がある竹の可能性を肌身でふれることで、放置竹林の整備活用への啓発活動にもなる。
シーリング・ペンダントライトの空間演出
夜間のお部屋の照明器具として、シーリング、ペンダントライトなどは、私たちの暮らしにも非常に密接な存在。ここにも竹を利用しデザイン化された商品が多い。
日本人の私たちにとっては、竹を利用した照明器具といえば和室、料亭、旅館などをイメージしがちだが、実は北欧でもその活用事例は豊富だ。商品仕様やデザインも多岐にわたる。
具体的には世界中にファンをもつ北欧スウェーデンのIKEAは、古くから竹を使った家具や生活雑貨を世に送り出してきた。
根強いファンからはIKEA製の竹製品に対し「軽くて使いやすく、竹の明るい風合いが親しめる」という声が多い。
ちなみにスウェーデンといえば、世界SDGs目標達成率で堂々の1位を獲得した国でもあり、身近にあるものをリサイクルすることに熱心な国民性がある。
こうした背景もあって、IKEAでは竹を活用したカジュアルな製品ラインナップが豊富で、創意工夫を重ねてユーザーを喜ばせている。(参考までに⇒IKEAのHP)
一方国内市場をみると、結構な数の竹シーリング、ペンダントライトがある。例えば大手E Cモールを見てみると
プラスチックの原料となっている原油価格が高騰している中、身近にある竹が資源としてスポットライトを浴びる日もそう遠くないのかもしれない。
広がる竹あかり、竹のロケーションアート新たな名所づくり
地域づくり、活性化に向けて(赤村にて)
先述した竹灯籠を、特定の場所に複数組み合わせて空間演出するロケーションアートでもって、神社やお寺、温泉施設や福祉施設、公共施設などを彩る工夫が筑豊地方でも広がっています。
筑豊地方でもピックアップすると、赤村の温泉として知られる源じいの森温泉がにわかに脚光を浴びています。
敷地に隣接する山林や周辺で間伐された竹を利用し、スタッフ一同で手作りの竹あかりを作っているそうです。
いくつもの組み合わせによって、独特の空間を創り出し、訪れる人を愉しませています。温泉につかりながら、身も心も癒されるスポットとしてあらたなネームブランドを獲得しつつあります。
企業、団体が取り組む竹の廃材活用
また、竹のロケーションアートについての製作を請け負う事業者も営業するようになりました。
(株)ちくほう竹活では、お寺や神社などのPRを目的とした竹灯籠ロケーションアートを受託してきた業務経歴があります。そのうちの一つ、筑豊のシンボル的存在でもある、田川市の石炭記念公園での一コマを紹介します。
人の往来が少ないと感じる寺社側にすれば、檀家や氏子以外の一般的な人々に馴染みのないところに、見に行ってみたいと思わせるきっかけとなります。
また、地域の竹林整備によって生まれる廃材を、リサイクルして有効活用することにつながります。
そして、ロケーションアートとして楽しめるスポットを創ることで、新たなネームバリューも生み出せる可能性が広がります。
本来は単に廃材となる竹も、こうした使い方によって、新名所としての認識が広まる可能性もあります。
これをご覧のみなさんも、自分たちの関わりのある地域に華を咲かせてみませんか?
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