2021年上野焼春の窯開きプレインタビュー 庚申窯高靏享一さん

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鋭いまなざしに匠の技が宿る

前回、上野焼宗家渡窯 第12代渡 仁さんのインタビューに続き、上野焼協同組合の理事長である庚申窯の高靏さんにもお話を伺ってきました。この稿はその時の内容をまとめたものです。

庚申窯(後ろには福智山)

昨年のコロナウイルスから感じたところや影響は?

大半の窯元の人たちが時間を持て余していたようなというか、作品を作ってもそれを発表する場がないというか、若干作品作りが減った方が多いんじゃないかと思います。

やっぱり作ってお客さんにみてもらう、買っていただくとか、そういったものが励みになって、どんどん作ろうかなと思うものですけど、お客さんは来ないし、作っても見てもらえないとか、がむしゃらに無心の気持ちで作っていたという方は少なかったかもしれません。

はじめのうちは確かに時間があると、ろくろ、作陶に専念できるというのはあり、いいな思えるところもありましたけれど、やっぱりお客さんが来ないというのがいちばん厳しい。

一年ぶりの春の窯開き、組合としてのセールスポイントは?

このコロナの影響で、開催するかしないかで、どうしてもずれてきてしまってもうギリギリのところになってしまったので、昨年の内から絶対に開催するということで決めておけば、こうはならなかったのかもしれません。

作品も作るのは作っているけれども、どうしても(イベントとして)大きいものを開催することができないということになってしまいまして、今回は一応やるのは小皿ということになってます。

作りやすいというのもありますし、こういったコロナの状況で、家で過ごす時間がありますので、お客さんの方もたくさんいらっしゃると思いますから、そういう方々たちに使ってもらえるような、手ごろな値段で数多くといった感じで小皿っていうのをみなさんの窯で作っていただいて。色合いとかはいろいろとあります。値段もある程度設定というのを考えていましたけれど、各自各窯でそれぞれにということになりました。

庚申窯ではどんなものを出品なさる予定ですか?

黒地にブルーの入ったものを…今ものがあれば、あとでおみせします。ちょっと幻想的なというか、題名的には宇宙みたいな感じの題名がつく小皿を出すようにしております。

今回の庚申窯でのテーマとなる作品の一例

価格帯は?

そうですね。一応最低は500円からという設定を各窯にお伝えして、あとはものすごく手の込んだものであったり特殊な技術だったりとか、かなりの差があるかと思います。

実際、(出品されてみないと)わからないですけれども、よその産地なんですが、そういう小皿を売っているところなんですが、高いのになると2万円とかいう金額のものもありますので、

上野の方の技術でそういったものが出るかはわかりませんけれど、いろいろなものがあってお客さんには楽しんでもらえるんじゃないかと思います。

最近の陶芸界のトレンド、体験教室に来る方も多くなってきたと聞きますが、

作る方に関しては確かに今言われたように(陶芸を)体験したいという方がみられるようになり、特に女性の方が多いかもしれません。

今まではどこかで買っていたという方が、自分で作ってみて食卓に並べるという、そういう傾向が少しあるのかなと感じます。うちも週に多い時は二組ほど(陶芸体験に)来てみたりと、やったことないことをやってみたいと。

しかし、陶芸教室になるとどうしても時間的に縛られますので、それならば自分のやりたいという時にパッと行けてという、そういった方が結構増えてきたのかなと。そのなかでもう少し本当に習いたいとか、そういった方は陶芸教室の方に行かれます。

庚申窯公式HPはコチラ⇒https://aganoyaki.net/

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