6月1日付西日本新聞筑豊版の記事。「直方市、40年来の悲願」との見出しが印象的で「歴史資料館建設へ始動」とある。
記事の内容は、古くからの町屋建築である篠原邸を再活用し、歴史と文化に関する資料を展示するという案と、候補地をあらたに設けふさわしい新資料館の建設を計画する案のふたつが述べられたもの。
直方は、江戸時代には福岡藩の支藩である直方藩として誕生し、長崎街道が整備された時には、その経由地となった。 つまり、直方は城下町としての背景がある。 そして炭坑が隆盛した頃は水運、陸運の交わるところとなり、人やモノが膨大に集まった。
このため筑豊地方の中心で商工業が発展してきた(この場合遠賀郡や北九州市の一部も含まれる)。 城下町そして商工業によって発展してきた街直方。
このような歴史的背景は、街のあちこちにみられるのではないか? 直方レトロなどと呼ばれ、街に残る由緒ある数々の建物の再活用をはかっていることは多くの人の知るところ。
これら建物群を結んで、散策ルートのモデルを作り、その中に歴史資料や文化遺産などを見学できる場所として、既存の古い建物群を活用する。あるいはその周辺でもいいだろう。
それらは分野別にいくつか設けて点と点を結ぶことによって、町屋やレトロな建物を見学しながら、直方の歴史と文化、そして商店街にある人情にもふれる機会を創出する。
つまり「直方らしさ」が全面に表出されるのではないか。 このような取り組みは、筑豊では直方しかできないかもしれない。
このような取り組みで直方の街に人々の歩みが戻り、商店街の人々との交流や街の活性化を見込めるという相乗効果が開けてくる。門司港レトロがいい参考事例となるだろう。
もちろん、メリット以外にもデメリットもある。たとえば文化遺産が点在してしまい、ひとまとめに見ることができないところ(これは特に身障者には配慮が及びにくい)や、駐車場の利便性などである。
このようなデメリットを改善しながらも、「直方らしさ」を全面に表出すれば、むしろ他地域にはないおもしろい取り組みとして注目されるかもしれない。
以上のような提言を参考として頂ければと思う。 筑豊三都の直方、その歴史的、地域的特徴をPRするための道。よりよいオリジナルの追求をテーマに、あたらしいまちづくりが展開されるよう応援したい。
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