木造駅舎の今昔物語 採銅所駅(筑豊のローカル線)

Blog 筑豊見聞録

このたびクローズアップするのは、香春町にある採銅所駅です。木造建築物としては100年を超える歴史のある建物は、香春町の指定文化財として住む人々に親しまれています。

しかし、各地で木造駅舎が姿を消す中で、住民の熱意により開業当時の姿のまま保存されることになったこの駅、今後どのような役割が担うようになるのでしょうか。

採銅所駅のおいたち

こちらの駅は大正二(1912)年に開業しました旧小倉鉄道の停車場として生まれました。現在はJR九州日田英彦山線の駅として現役です。

付近の地名が採銅所とあるのは、その昔この周辺で銅が産出されるためでした。それは断続的にではありますが、昭和30年頃まで見られていたとされます。

それに加え香春岳周辺は石灰を産出し、農業用やセメントに加工されておりました(⇒白ダイヤ もう一つの鉱石)。

こうした資源を小倉方面に輸送するための駅として採銅所駅は開業しました。このため、ローカル駅としては構内が非常に大きいものとなっております。島型ホームの両側に敷かれた線路に加えて、通過列車のための線路もあったようで、他にも貨物用の引込線と考えられる部分もあります。

周辺の人口規模から考えると敷地内の駅構造は、今となっては余剰な部分となっており、開業当時石灰や金、銅などの鉱石を産出しそれを運ぶための設計だったことが伺えます。

採銅所駅(2011年撮影)
採銅所駅の引込線

木造駅舎のこれから 地域づくりの担い手として

近年、香春町に着任した地域おこし協力隊のみなさんにより、コミュニティスペースとしての役割を担う形でリニューアルされました。駅舎の開業100周年を記念して、平成27年にオープンしたスペースの名称は「第二待合室」。

元の木造駅舎の趣きを活かした、シックでオシャレな感覚が好感度を高めており、訪れる人の愛着を呼び起こしそうな内装は素晴らしいの一言。

町外からの移住者や町に住む人々からの寄せられる、香春町での暮らしについての相談などのサービス拠点であり、かつ住民どうしの交流スペースとして活用されています。

香春町の暮らし、町のインフォメーション ⇒香春町✖̻🔲(カケル)

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