ドキュメンタリー竹林は宝 進化し続ける竹材

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ほとんどの人々が必ずと言っていいくらい竹に親しむ機会となっているのが、これではないでしょうか。

日本人の私たちにも古くから関わりがある。ここでは現代の竹細工、日用品や雑貨として活用されている竹細工、竹材にふれてみよう。近い将来、貴重な資材として「竹財」というネームブランドへ成長するかもしれない。

竹細工の知られざる深い歴史

竹を材料としていた時代は古く、日本では縄文時代にさかのぼる。定湿地に位置する縄文時代の遺跡からは、竹籠の残片と見られる異物の出土が全国的に見られている。

その技術の精工さは目を見張るものがあり、日本のものづくりの深い歴史と長い間暮らしに密接な存在として関わりの深い竹の存在がある。

また、山地に囲まれた九州では竹との関わりがより密接で、特に温泉地別府には興味深いエピソードがある。

それは、湯治に訪れるお客さんに提供される竹製の飯籠や笊が評判となったことからはじまった。

江戸時代から日本一の温泉街とも言われた別府には、訪れる人も多く、この評判によって観光客からお土産品として各種の竹細工が重宝された。一時期には別府の一大産業としても認識されたほど、大量生産されていた。(別府市竹細工伝統工芸会館HPより)

しかし、昭和30年代のエネルギー革命の影響により、安価なプラスチック製の器が淘汰され、それまでから一変し竹細工の姿は少なくなるも、美術品としての価値を高め人間国宝(生野祥雲斎)を輩出するほどに成長した。

里山整備から竹炭へ

一方で、これまでも身近にあった竹材もある。

そのなかの一つ竹炭は、消臭剤や調質剤などとして活用されてきた。ここではその効果について、あらためてふれてみたい。

多機能な竹炭の効能

竹の内部に走る無数の孔は、強いアンモニアのにおいや水道水のカルキ臭、カビ臭などを吸着させるのに適していると言われる。

また、この孔は調湿としての機能もあり、多湿な環境の中では水分を吸収し、乾燥した環境では孔内をはじめ各組織から水分を発散することも知られている。

これ以外にも多孔質な竹の組織は、私たちの暮らしに恩恵を与えてくれる。あらためて以下にまとめると

①脱臭効果

②調湿作用

③通気性、水はけ

④鮮度保持

⑤洗浄効果

⓺遠赤外線放出

⑦ミネラル成分の含有

このような7つの効能を活用し、よく知られているものとして冷蔵庫の防臭剤や押入れの除湿剤をはじめ、

・通気性、水はけの良さを利用した畑への土壌改良剤(竹炭チップ)

・竹炭を練りこんだ整腸サプリ

・IHジャーへ入れるだけの

・ピッチャーへ竹炭を入れ、水道水にミネラル分を加える。これはカルキ臭さを除去することにも。

などなど

窯で焼き入れるだけでこれだけの多機能性を有するのが竹炭。まさに万能、私たちの健康や住環境に恩恵をもたらすことがわかる。

筑豊地方でも取り組む里山整備と竹炭活用

引用元:茜の森 もりもり探検隊FBページ

飯塚市の筑穂地区、そこは古くは名産となっていた筑前茜染で知られる。このため、付近は山口という地名より、茜という言い方の方がよく知られているかもしれない。

付近にあるサンビレッジ茜と呼ばれるスキー場は、夏スキーを楽しめる場所として知られる。

スキー場周辺は深いみどりに囲まれた森林地帯にあたり、それだけに竹も豊富に繁茂しているが、ここでもその整備が課題だ。

地元の人たちが集まって、この里山の環境を保全すべく、間伐材から竹炭づくりへと取り組んでいる。

それは、次世代への理解、関心を深めてもらうことも兼ね、自然とふれあいながら里山の整備で得られた間伐材を有効活用している。

竹を資源に資源大国へ?

三重県の桑野市でも放置竹林が課題となって、人々を悩ませてきた。

これに対しバイオマスプラスチック技術に竹を原料として、放置竹林の課題を解決する取組を始めている。

それは、桑名市、地元のNPO法人「桑竹会」、JAみえきたとの協定で、プラスチックごみによる海洋汚染へのリスクを減らせるとして一石二鳥の取組と意気込んでいる(プレスリリース)。

この協定に貢献している技術は、株式会社ミラリード(本社:東京都品川区、代表取締役 社長:東山克基)によるもので、愛知県一宮市で開発を進めている。

独自の装置を開発することで、これまで困難だった成形の工程を可能にし、自由な形に仕上げることできるというメリットがある。

引用元:ワールドビジネスサテライト

これは竹以外にも他の植物性有機物であれば可能で、画期的な技術と言える。

竹の強い繁殖力によって発芽から3年程度で成竹となることから、その管理さえ徹底すれば放置竹林のみならず、竹林整備で生じる間伐材利用によって供給面が安定する。

バイオプラスチックへの認識や口コミ評価、コストパフォーマンスが高まれば、需要面にも大きな弾みとなり、竹をサイクルするひとつの仕組みへとつながる。

国内自給率向上、内需拡大、地方雇用改善にも波及する可能性を秘めているのが放置竹林ではないか?

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