暑い夏、涼を求め川や滝、森林浴など、ヒーリングポイントに出掛けるという方も多いでしょう。ここでは、そんなあなたに気軽に立ち寄れる田川市の納涼スポットを紹介します。
その名は三井寺。最近お寺めぐりのホットポイントにも数えられる場所です。検索サイトやSNS上の情報提供が多くなり、かなり注目されてきているスポット、その場所に秘められた意外なストーリーも合わせご紹介いたします。
風鈴によるアーケード 人気スポット三井寺
幅2.5m、長さは50m近くにわたって、境内歩く道に風鈴が飾られています。インスタ映えスポットとしても多くのユーザーが投稿を繰り返し、爽やかな風と清々しい風鈴の音が訪れる人に癒し、納涼を与えます。
短冊に願いを込め風鈴を飾る男女の若いペア、はしゃぐ小さな子どもやおじいちゃん、おばあちゃんを連れ立ってきたご家族など、老楽男女さまざまな人たちが訪れるようになりました。
正式名称は「心願山平等寺」真言宗御室派のお寺。
田川伊田駅から徒歩15分くらい、カーナビには田川市民球場を目的地にすれば便利でしょう。
明治期に開坑した伊田坑(後の三井田川鉱業所、現在の田川市石炭記念公園)から近い立地で、当時から炭鉱との関わりが深かった寺院です。そのため通称としての三井寺がよく知られてきました。
今の住職が「気軽に人々が訪れるお寺にするために」という思いがきっかけで、先述したようなお寺へと変貌をしました。
四季折々に変わる境内の木々の色合いに合わせ、風車や風鈴をディスプレイしたり、紅葉シーズンの見応えある景観を整えたりと、地道な労力によって支えられています。今では観光名所のみならず、パワースポットやデートスポットとしても親しまれるようになりました。
イベントの情報は、風鈴祭り:5月下旬〜9月末 かざぐるま祭:11月中旬〜12月中旬ということです。
一方でこのお寺には、あまりクローズアップされていない、秘められたストーリがあることは知られていません。その点についてごく簡単にふれてみたいと思います。
炭鉱との関わりの中で 秘められたストーリー
通称の三井寺が示すように、炭坑との強い関わりがありました。鉱業所の幹部からは、安全操業のための祈願など信仰を集めていたようで、炭坑の菩提寺的な性格もあったのでしょう。
この一方で炭坑に集まった坑夫たちの、寄宿舎としての機能もあったと言われます。特に海外から強制労働によって連れてこられた人たちが多かったと聞きます。
炭坑で強制労働を強いられた人たちは、明らかな差別を受けていたことも残っています。このようなことが二度と起こらないように、という思いが「平等寺」という名称に象徴されているのかもしれません。
今でこそ過去の歴史は跡形もなくなっていますが、三井寺の風鈴を耳にした時、そのような過去は二度と繰り返さないように思いを偲ばせたいところです。世界平和をここ三井寺から祈りを込めて。
最近ではライトアップのイベントも取り組むようになりました。ますます口コミ評価が好評で、密かな「田川のインスタ映えスポット」になっています。
コメント