WebサイトやECサイトは、今やビジネスに必要不可欠となりました。しかし、制作には時間とコストがかかり、時に専門知識も必要です。 このため、個人事業主や中小企業の広報担当者にとって、Webサイト制作は大きな負担となることがあります。ここでは、そんな負担がなく、生成AI機能を持つウェブサイト制作ツールをいくつかおススメします。
AI搭載のサイト制作ツール、特徴と選び方
特徴
もはや語る必要もないかもしれませんが、メリットは以下のようなものがあげられます。
・誰でも簡単にWebサイトを作れる
・専門知識やスキルがなくても大丈夫
・時間とコストを大幅に削減できる
・デザイン性の高いWebサイトを作れる
・最新の技術を取り入れられる
ツールの選び方
さまざまな種類が登場し、今後も増えることも予想される。自分に合ったツールを選ぶためには、以下のポイントは必ずチェックしたいところです。
・必要な機能
・使いやすさ
・価格
・サポート体制
そして、目的とするサイトの機能やコンテンツ量によって、ツールを選ぶことが最も重要となります。
日本語入力可能なAI搭載サイト制作ツール Wix ADI、Jimdo AI、10Web ai、appypieの紹介
ツール | メリット | デメリット |
Wix ADI | ・直観的操作がカンタン ・豊富なテンプレート ・無料でも引き続き使える | ・無料プランでは広告表示あり ・デザインの自由度、カスタマイズ性が低い ・コンテンツが多いとロードが遅くなる |
Jimdo | ・500種類以上のテンプレート ・無料プランでも機能は十分 ・CSS機能でデザインの微調整可能 | ・複雑な機能やデザインには不向き ・AIでの生成は発展途上 ・日本語の情報が少ない |
10Web ai | ・高度なデザイン機能 ・SEO対策に強みあり ・プラグインが豊富、機能拡張あり | ・操作が複雑に感じられる ・無料プランでは機能制限あり ・日本語の情報が少ない |
appypie | ・短時間での制作が可能 ・ダッシュボードがシンプルで簡単操作 ・SEO対策を含めた生成ができる | ・自由度が低い ・AI生成には課題あり ・有料版のコストがやや割高 |
AIでの自動生成調査レポート
●Wix ADI
Wix ADI
Wix ADIは最も手軽に使えるツールという印象が強いです。AIにサイトの目的や業種を入力するだけで、デザインからコンテンツまで自動生成してくれるとは驚きました。
生成された内容は自身の好み、趣向、ブランドイメージによって簡単に変更できます。
自分で細かな編集を加えることですぐに実用的なサイトを作ることができます。豊富なテンプレートから選べるのも助かりました。ただ、機能面で制約があり、高度なニーズには応えきれない面もあり、ノンコードサイトであるが故の限界も感じられます。
Jimdo AI
WixADIと同様、サイト制作のスキルが全くなくても、問題なく目的のサイトを作り上げることができます。スマホでの制作や設定もラクラクで、操作に好感度が感じられます。
一方で生成AIを活用した場合、もう少しAIへの指示(プロンプト)ができる場所を細かくできるようになればいいなと感じました。こうした点はCSSに相当する機能を使って細かく修正する作業がつきまとう場合もあります。また、日本語情報はウェブ上に少なく、サポートも十分とは言えないと感じました。
Wixと同様、無料プランのままでも使っていけるのはうれしいポイントです。制作に要する時間も比較的少なく、ストレスフリーで取り組めるのが大きなメリットでしょう。
10Web.ai
10Web.ioはAIジェネレータだけでなく、様々な高度な機能が詰まったツールでした。SEO対策に凝った趣向が感じられ、検索サイトからのアクセス流入を視野にした、ブログとしての役割にピッタリではと思いました。
しかし、メニューやボタンの多さに戸惑い、操作方法の理解と慣れるまでに多少の時間を要しました。コーディングといった専門的な側面に、過剰な機能は不要かもしれません。また、有償のプランに移行しなければならない(つまり、そのまま運用するにはコストが生じる)部分も気になります。
appypie
上記の2つに比べてシンプルな作りで、ストレスなく使えました。AIのコンテンツ生成も自然な出来で満足のいく文章が作れました。もともとはアプリ開発、制作を主にサービスを展開してきた経緯からか、サイト制作にはそれほどの機能性を感じませんでした。
ただ、デザイン面での選択肢が少なく、ビジネス向けというよりは個人的な用途に適していると感じました。また、無料で気軽に使えるのは7日間だけで、その後は有料となります。
事業・業種別最適ツール
Wix ADI、Jimdo AI
なんと言っても操作が非常に簡単で、デザインやコンテンツを自動生成してくれる点が大きな魅力です。デザインが苦手、レイアウトや構成も負担に感じる、そもそもサイト制作にそれほどの時間をかけたくないなど、時間的なロスを避けたい場合に大きな効力を発揮するのがこのツール。そのため、以下のような業種・企業に最適でしょう。
・小規模飲食店、小売店、サービス業
・スタートアップ起業家や個人事業主
・ウェブ制作の経験がほとんどない初心者層
簡単な店舗紹介サイトやポートフォリオサイトを作成したい層に向いています。また、商品・サービスが限られている場合にはECサイト制作にも対応できます。
注意したい点として、機能面での制約や、コンテンツが豊富で画像や動画を多数扱いたい場合は、ロードスピードが低減するため、ユーザーから敬遠されることが生じます。
コストをかけずに手軽にサイトを公開し、シンプルな運営としたい方におススメ。
10Web.ai
10Web.aiは多様な機能を搭載しており、マーケティングや販売促進を意識したサイト制作に適しています。担当する人もそれなりの専門性を有するスタッフが扱う方がのぞましいという印象です。このためある程度の団体・組織において担当者を置いた活用がのぞましいツールだと思います。例えば
・中小製造業、卸売業
・マーケティング部門を構える企業
・ECサイトや自社サービスの広報を行うベンチャー
SEO対策や顧客対応、Eコマース機能などを意識する必要がある企業には適したツールです。一方で、機能が多岐に渡るため、初心者には操作が複雑に感じられるかもしれません。
appypie
appypieはシンプルな作りですが、自然な文章生成に長けている印象です。このため、旅・レジャーなどの娯楽、趣味や特技の紹介などをテーマにしたブログ運営に最適と考えます。
・フリーランス、ブロガー
・作家、クリエイター
・ワンオペ小規模サービス業
個人のポートフォリオサイトや情報発信の場として活用できそうです。デザイン面での選択肢は限られますが、ビジネス色は控えめで個人的な使い勝手は良さそうです。
このように、AI搭載ツールは多様なニーズに対応できますが、自社や事業者の実情に合わせて、メリット・デメリットを見極める必要があります。組み合わせて使うのも一つの手でしょう。
まとめ
生成AIを使って日本語入力しサイト制作をした場合を比較すると、Wixが使い勝手とデザイン性、最低限の機能があると考えます。また、初心者にも扱いやすく、無料でもずっと使っていけるのは大きなメリットではないでしょうか?
Jimdoでも問題なく制作できますが、AIを早期に導入したWixの方がやや上手に位置するツールではないかと思います。
10Webは、高度なデザイン機能を搭載していますが、その分操作が複雑です。Appypieは、コードを書かずにWebサイトを作れるというメリットがありますが、デザインの自由度が低いというデメリットがあり、サイト全体の印象を悪くしかねないところもあります。
初心者にとって、サイト制作ツールを選ぶ際には、使いやすさと機能のバランスが重要です。Wixは、その両方のバランスが取れたツールであり、初心者にとって最適な選択肢と言えるでしょう。
AIに指示する内容(プロンプト)を詳しく設定でき、しかも何度も繰り返す必要もなく、適度なプロンプトでクオリティの高いサイト制作ができると感じます。この辺の配慮を、ノンコードでのウェブ制作サービスを日本に持ち込んだ企業として、最古参級のWixが強みを発揮していると言えます。
もちろん、個人の好みやスキルによっても最適なツールは異なります。まずは、無料プランで色々試してみて、自分に合ったツールを見つけてください。
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