切り絵という創作アートがあるのは、ご存知の方も多いでしょう。筑豊にも各地で創作活動し、そこで生まれた切り絵はあまたある。
この稿では、筑豊でももっとも筑豊らしくない赤村で、切り絵を通じて独自の世界を追求するアーティストを紹介します。
その方は浦野勝広さん。生粋の赤村っ子で、豊かな自然と古くからの歴史や言い伝え、四季折々の年中行事を、絵本のように親しみやすい世界へと昇華する画風とはどんなものでしょうか。
最近の作品2つからその世界観にふれてみましょう。
切り絵ものがたりの四季からのお手紙 「さよなら…。」
なんだかあったかくなってきたね…
梅の花が咲き始めたよ。
ねぇ、ぼくもうおわり?
からだがどんどんとけてるよ。
春が始まるんだね。
うれしい?みんなのたのしそうな声がきこえてくるよ!
ボクはちょっと切ないけど…
でも大丈夫!
また、冬が来るから…
また、元気な童たちが冬を楽しんで「ぼく」をつくってくれるから!
はじまりがあるからおわりがある。
おわりがあるからはじまりがある。
だれかがきいた風なコト言ってたよ!
…また、冬が来るまで…
それまで、さようなら。
雪だるまより
「おめでたいやつら。」
ボク…みたよ。
お正月になった時…みたよ。
だれもいない隣の部屋がなんだか騒がしいんだ。
怖いけれど、そっと襖を開あけてみたんだ…
ボク…みたよ。
『おめでたいやつら。』が除夜の鐘が鳴り終わったってよろこんでいたんだ。
『おめでたいやつら。』が甘酒のんで
おめでたい!おめでたい!ってさわいでいたんだ。
…おめでたいけど、ちょっとこわい…
今年も良いことある
といいね。(以上出典元:切り絵ものがたり)
プロジェクト事務局からの感想(声援にかえて)
とにかくやわらかいタッチの描画がかわいらしいという印象を与えてくれます。見る人の微笑ましい笑顔を誘う一つ一つの描写が、見る人に癒しを与えてくれると感じませんか。
一枚の作品は、たくさんの形どりされたピースによって組み合わされ、画像では伝わりにくい立体感があります。
一枚の色紙から一つのピースを切り出し、それを貼り合わせて仕上げていくため、構想からイメージして一枚の作品を完成させるのに2,3カ月から半年以上を要すると浦野さんは言います。
丁寧に仕上げた作品は、どれも独自の世界観がありますが、それは決して難しいアートではなく、どちらかと言えば絵本の世界にも通じると思います。できれば、一つのテーマをもとにした絵本を、切り絵仕立てでみてみたいものです。
今後の活動にも期待ですね。みなさん、ご声援をよろしくお願いします。
浦野さんの代表作(コレクションの一部)
このほかにもたくさんの作品があります。ご興味のある方、ぜひ下記のブログをのぞいてみてくださいね。
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