追い出し猫のひ・み・つ ご利益はこんなところにあり!

Blog 筑豊見聞録
追い出し猫八猫伝?

宮若市のゆるキャラとして親しまれている追い出し猫、可愛らしい表情と険しい表情の二つの顔をもつことで知られます。

このゆるキャラ、その由来を知ると奥が深く、そして親近感が湧き上がってきます。ここでは追い出し猫の秘密に迫りたいと思います。

お寺から生まれた縁起物

昔、宮若市内の西福寺というお寺に、猫が好きが目がない和尚さんがいたそうです。その地には現在お寺はなく、これから話す言い伝えにあやかり猫塚公園となっています。

宮若追い出し猫振興会より

古くから今の宮若地域は、きれいな水と緑に恵まれた地域のため、農業が盛んな場所でした。このため収穫される作物も豊かで、これを獲物として生きていたネズミも多かったとか…

作物を荒らすようになったネズミに対して、村の人々は猫を飼って追い払おうとしました。が、とある時、大きなネズミがお寺にすみつくようになり、この大ネズミが人々を悩ませ、次第に和尚さんの身にも襲い掛かるようになります。

猫好きの和尚さん、さぞやたくさんの猫の面倒をみていたのでしょう。和尚さんに危害を加える大ネズミを、仲間たちとともに決死の戦いを繰り広げたそうです。

この戦いの後には、大ネズミの他におびただしい数の猫の死骸があったと言います。

和尚さんはこれを手厚く供養したのが、「追い出し猫」のはじまりだそうです。

宮若市の追い出し猫発祥の地、猫塚
猫塚前にあるバス停、そこには小さな御神体が⁉️

おもてとウラに秘められた追い出し猫のご利益

数年前から宮若市の公式ゆるキャラとしてPRされてきた追い出し猫、その名はサクラちゃん。ニッコリと微笑むその可愛らしさに、「笑う門に福来たる」

しかし、本来は険しく、何かをにらみつけるような表情の方を前にしておく縁起物。お土産に、開店祝い、新築や合格祈願等の贈り物として重宝されていると聞きます。

無病息災、家内安全、天下泰平など、平穏な暮らしの中に小さな幸せが続くようにと願いを込め、運気を下げる災いや悪霊を退散させる守り神。これが追い出し猫の本来のチカラだそうです。

つまり、もともとは悪霊退散を祈念した険しく力を秘めた追い出し猫に、ゆるキャラとしての愛らしさが加わり、表裏別々の表情が生まれたのかもしれませんね。

わたしたちの生きる世界には、表と裏、光と影、陽と陰、プラスとマイナスという浮き沈みの中にあります。その意味では、この追い出し猫、一方的なアプローチをしているのではなく、微笑ましい表の表情と、いざとなったらやるぞという決意ともとれる険しく厳しい裏の表情から、現実世界の良し悪し、浮き沈みという大きな二つの局面にご利益がありますようにという願いが込められた縁起物なのではないでしょうか。

ご自宅ではこんな飾り方がベスト(鏡に反対側が写るように)

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