ローカル線の旅筑豊版5選 No.3 後藤寺線

筑豊の歩き方
「九州ロマンチック街道」より

 筑豊地方最大の人口規模をもつ飯塚市の玄関口新飯塚駅から、炭都田川市の田川後藤寺駅を結ぶ13.3㎞の路線後藤寺線は、現在JR九州の管轄となっている。その前身は九州産業鉄道というこの地の有力者の出資によって生まれたもの。それは、飯塚と田川の間を直通する鉄道がない上に、旅客と石炭、そして当時建設資材として注目され始めた石灰を運ぶという目的があった。その当時の筑豊地方の鉄道網の欠陥を補う意味で期待された背景もあり、計画から早い段階で開業へといたった路線だが、今となっては営業距離がかなり短い。しかし、その沿線にはこれまであまり注目されていなかった魅力がある。この記事ではその知られざる魅力に迫ってみたい。

 新飯塚駅を発したディーゼル列車によって、田川方面を目指すと車窓の右側から、ピラミッドが三つ並んだかのように見えてくるのが忠隈のボタ山。ことの由縁を知らなければ見過ごしてしまいがちだが、このヤマは筑豊炭田の象徴的なものとして人々に親しまれている。田園風景越しにきれいな三角形を見る景観は、このボタ山が筑豊富士とも言われる訳がわかるような気がしてくる。

 この地域の車窓の様子はこちらの記事が詳しい。

 http://blog.livedoor.jp/un_journal-chapitre_deux/archives/51911566.html

筑豊写真集by大西講二より

飯塚・田川の境界 関の山

 後藤寺線でも筑前庄内駅と船尾駅の間には、白ダイヤのふるさと船尾山が位置している。船尾山、金国山、関の山一帯は、石灰岩質の地質に恵まれ、この自然の恩恵によりセメント、石灰鉱業が営まれている。

 筑前庄内駅を降り、飯塚市庄内方面へ約30分ほど歩くと、関の山の登山道に到着する。その詳しい地図はコチラ

 https://yamap.com/activities/2744532

 

 関の山登山口から山頂までは約40~50分ほどで到着する。途中、石灰窯などにも出くわすことができ、今ではあまり見ることの少なくなった文化遺産をお目にかけることができる。山頂周辺は石灰岩の露頭が、小動物のようにあちらこちらに顔を出した様子がとてもユニークに見える。なお、山頂部分から田川方面を一望すると、中心街越しに香春岳をのぞむことができる。もうひとつの白ダイヤの生まれ故郷の、ヤマ半分が大きく削平された様子はここでしか見れないかもしれない。

 コチラもご参考ください 白ダイヤもうひとつの鉱石⇒http://chikuhoroman.com/humanism/whitedia/

関の山山頂から(中央に遠く香春岳をのぞむ)

船尾駅からみる白ダイヤのふるさと

船尾駅到着の後藤寺線車窓から(セメント工場の構造物が目の前に)

 船尾駅で下車すると眼前にセメント工場が威容を誇るかのように立ちはだかる。工場内の見学はできないが、場内を出入りする車のためか道一面が真っ白くなっているのが印象的だ。その白い大地にそそり立つ工場内の構造物は、夜に来ると昼間とは全く異なる光景となる。こうした楽しみ方も、いつもとは違い新鮮味にあふれ、ちょっとした感動ですら覚える。

 (出典元)九州ロマンチック街道https://kariud.exblog.jp/27290972/

出典元:九州ロマンチック街道 :https://kariud.exblog.jp/27290972/

おわりに

 ローカル線にはローカル線らしい楽しみ方があり、それは似ているようでも同じものはありえない。むしろローカル線だからこそ、その地域オリジナルに出会うことがほとんど。これらは地域のちょっとした宝と言ってもいい。
 後藤寺線はJR九州の赤字路線17線区に数えられている。今では一家に数台のマイカーが当たり前となり、鉄道から離れてしまった人々も多くなった。こうした折、そのライフスタイルを変えようと言いたいわけではないが、たまには鉄道の車窓からの眺めや沿線の見どころを再発見すると、違った光景や見方ができることがある。
 こうした点を企業、団体、個人を問わず、関わっていける機会を設けていくべきところはまだまだある。たとえば今回の後藤寺線を当てはめれば、沿線のウォークラリーイベントに関の山を目的地にしたり、セメント工場見学や夜の撮影会など、実現性のあるイベントを企画してみることなどがある。
 資本主義経済の発展による都市圏の形成の一方で、ユニークな田舎のPRは思っているよりも希少価値があるのかもしれない。そんな未来を描きながら、後藤寺線の将来を案じつつ。

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