驚きと発見のテーマパーク 鞍手町歴史民俗博物館へ

Blog 筑豊見聞録

鞍手町歴史民俗博物館は、単なる「博物館」ではありません。ここは、鞍手の大地に眠る驚きと発見を、まるでテーマパークのように体感できる“時間旅行の入口”です。

2025年5月のリニューアルで、炭鉱体験スペースが話題を集めていますが、実は鞍手の物語は、もっと深く、もっと面白い。今回は、縄文から近代、そして未来へと続く鞍手の歴史の魅力を、三つのスポットを中心にご案内します。


1. 6000年前の鞍手へ――新延貝塚の巨大な貝の層

まず足を踏み入れてほしいのが、「新延貝塚(にのぶかいづか)」の実物展示。

貝塚とはいわゆる、古代の「ゴミ捨て場」、これを詳しくみてみると当時の生活を想像することができます。日本全国に約2700箇所あるとされ、特に関東に多く集中しています。

鞍手町の歴史は、約6000年前の縄文時代にまでさかのぼります。ここで発見された巨大な貝塚は、なんと1.6メートルもの厚みを持ち、シジミやカキなどの貝殻が幾重にも積み重なっています1 4 5

新延貝塚で確認された貝層

この貝層は、当時の人々が川や海の恵みを受けて暮らしていた証し。特殊な樹脂で固めて剥ぎ取った断面を間近で見ると、「こんなに昔から人がここに住み、自然と共に生きてきたのか」と、思わず息を呑むはずです5

さらに、貝塚からは装飾品として使われた貝輪や、大小さまざまな縄文土器も出土しています2 6。遠賀川流域の縄文時代の風景を想像しながら、6000年の時を超えて残る“命の痕跡”に触れる体験は、子どもから大人までワクワクが止まりません。

こちらもご参考に⇨ヤマでたのしむ海の幸

縄文時代の鞍手町周辺の様子(イメージ図)

2. 謎とロマンの古墳時代――古月横穴・新延大塚古墳

鞍手の大地には、古墳時代のロマンも眠っています。

博物館では、国指定の「古月横穴(ふるつきよおうけつ)」や「新延大塚古墳(にのぶおおつかこふん)」から出土した副葬品や装飾品を展示1 3。銀冠や装身具、土器など、当時の権力者や人々の暮らしぶりを物語るお宝がずらりと並びます。

古月横穴(国重要文化財)
新延大塚古墳
古墳での葬送儀礼(イメージ)

古墳時代は、地域ごとに独自の文化が花開いた時代。鞍手の古墳群は、遠賀川流域の交通・交流の要所として発展した証でもあります。

展示を見ながら「この古墳の主はどんな人だったのか」「どんなドラマがあったのか」と想像を膨らませれば、まるで考古学アドベンチャーの主人公になった気分。実際の遺跡見学と組み合わせれば、リアルな“歴史探検”を楽しめます1


3. 鞍手が誇る知の巨人――国学者・伊藤常足

江戸時代、鞍手町から全国に名を轟かせた知の巨人がいました。それが国学者・伊藤常足(いとうつねたり)です1 3

彼は国学の発展に尽力し、多くの古文書や資料を残しました。博物館の伊藤常足コーナーでは、彼の直筆資料や、当時の文化・学問の息吹を感じることができます。

伊藤常足は、地元の歴史や伝承を丹念に記録し、後世に伝えた“鞍手の知の守り人”。

彼の業績をたどることで、鞍手という地が、知と文化の発信地でもあったことに気づかされます。展示されている古文書や関連資料をじっくり眺めていると、「この町の人々は、時代ごとに新しい知を受け入れ、発展してきたんだ」と、静かな感動が湧き上がります。

伊藤常足の詳しい経歴はこちら⇨神主、学者、ときに文屋? マルチな活躍福岡藩士伊藤常足


4. 体験型炭鉱スペース――“あの時代”を歩く

もちろん、今回のリニューアルで話題沸騰の「石炭資料展示室」も見逃せません。

懐中電灯を片手に斜坑を下る体験型展示は、まるでタイムマシンに乗って炭鉱最盛期の鞍手へ迷い込んだような臨場感3 8。等身大の人形や採炭道具が並ぶ坑道は、暗さや湿度まで再現されており、五感で“あの時代”を感じられます。

まるで当時の炭鉱現場にタイムスリップしたような臨場感があります。産業遺産や炭鉱遺構に興味のある方はもちろん、普段歴史にあまり関心がない方でも、楽しみながら鞍手町の歩みを知ることができます。

おわりに

鞍手町歴史民俗博物館は、町の古代から現代までの町の歴史や人々の暮らしを、実物資料や写真、体験型展示で分かりやすく紹介しています。

今では考えられない環境や時代背景など、驚く方も多いかもしれません。

また、昭和時代の家屋を再現したコーナーでは、黒電話やちゃぶ台など懐かしいアイテムにふれることができ、家族連れにも人気です。

そして、新設の石炭資料展示室では、炭鉱の坑道を歩く体験や、採炭道具・等身大人形の展示を通して、かつての炭鉱の雰囲気をリアルに味わえます。入館無料で、どなたでも気軽に楽しめる博物館です。

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