この記事でわかること
- 筑豊の基本情報
- 筑豊とはどこ?地理的な位置
- 筑豊の歴史
- 筑豊の観光スポット TOP10
筑豊(ちくほう)とは、福岡県の内陸部に位置する地域で、飯塚市・直方市・田川市を中心とする広域エリア。明治〜昭和期に日本最大の石炭産地として繁栄し、「筑豊炭田」として近代日本の工業化を支えた。現在は炭鉱遺産・自然・グルメ・地方創生の地として注目されている。
筑豊の基本情報
| 読み方 | ちくほう |
| 所在地 | 福岡県内陸部 |
| 主要都市 | 飯塚市・直方市・田川市・嘉麻市・宮若市 |
| 郡部 | 田川郡(香春町・添田町・糸田町・川崎町・大任町・赤村・福智町)/鞍手郡(小竹町・鞍手町) |
| 人口(概算) | 約40万人(2020年代) |
| 面積 | 約1,800km²(福岡県の約37%) |
| 主な産業(歴史) | 石炭採掘、炭鉱関連産業 |
| 主な産業(現在) | 製造業、農業、観光業 |
| 代表的な食文化 | ホルモン料理(発祥地)、かしわめし |
| 代表的な伝統工芸 | 上野焼(うえのやき)、小石原焼 |
筑豊とはどこ?地理的な位置
筑豊は福岡県の内陸部、北部九州に位置する。博多・福岡市からは車で約1時間、北九州市からは約40分の距離にある。
地域の構成:
- 嘉飯山地区(かいいざん):飯塚市・嘉麻市・桂川町を含む西部エリア
- 直鞍地区(ちょくあん):直方市・宮若市・鞍手郡を含む北部エリア
- 田川地区(たがわ):田川市・田川郡各町・添田町・香春町などを含む東部エリア
かつての行政区分「筑前国」と「豊前国」の境界にまたがることから「筑豊」と呼ばれるようになった。
筑豊の歴史
古代〜中世(縄文〜戦国時代)
筑豊地方は古くから人が住む豊かな土地だった。縄文・弥生時代には古遠賀湾(かつて筑豊内陸部まで海が入り込んでいた)が存在し、豊富な海の幸をもたらした。中世には多くの豪族が割拠し、戦国時代には筑前・豊前・豊後の大名たちが争う戦場となった。
近世(江戸時代)
江戸時代、筑豊は主に小倉藩・福岡藩・秋月藩の支配下に置かれた。この時代に「焚き石(石炭)」の存在が知られ始め、地域産業の礎が形成されていく。
近代〜昭和:石炭産業の時代
明治維新後、筑豊は日本最大の石炭産地として急速に発展した。
- 1880年代:三菱・三井・住友など財閥系炭鉱の進出
- 1890〜1920年代:筑豊炭田の全盛期。「炭鉱王」安川敬一郎・麻生太吉・伊藤伝右衛門らが台頭
- 1945年以降:終戦直後も復興需要で石炭産業は活況
- 1960年代:エネルギー革命(石炭→石油)により相次いで閉山。急速な過疎化が進む
最盛期には筑豊炭田全体で年間約2,000万トンの石炭を産出し、日本全体の石炭生産量の約40%を占めた。
現代:地方創生の最前線
炭鉱閉山後、筑豊は長らく「衰退の象徴」として語られてきた。しかし近年は産業遺産観光・地方創生・移住促進・アーティスト集積など、新たな価値創造の動きが活発化している。
筑豊の観光スポット TOP10
- 田川市石炭・歴史博物館(田川市):二本煙突・田川ボタ山とともに筑豊炭田の歴史を展示する国内屈指の石炭博物館
- 嘉穂劇場(嘉麻市):炭鉱全盛期に建てられた現役の芝居小屋。国登録有形文化財
- 旧伊藤伝右衛門邸(飯塚市):炭鉱王の邸宅。白蓮との恋愛で知られる国指定重要文化財
- 英彦山(添田町):修験道の霊山。紅葉の名所としても有名。スロープカーでアクセス可能
- 忠隈のボタ山(飯塚市):筑豊炭田時代の産業遺産。現存するボタ山の代表例
- 香春岳(香春町):一ノ岳が石灰石採掘で削られ続ける独特の景観が見られる山
- 源じいの森温泉(赤村):清流沿いの自然豊かな温泉施設。家族旅行に人気
- 直方谷尾美術館(直方市):炭鉱文化が薫る直方市の歴史的な美術館
- 上野焼(福智町):江戸初期から続く伝統陶芸。全国的に知られる名窯が集まる
- 嘉穂アルプス(嘉麻市):古処山・馬見山・屏山をつなぐ縦走コース。登山愛好家に人気
筑豊のグルメ
ホルモン料理(発祥の地)
筑豊は「ホルモン料理発祥の地」のひとつとされる。炭鉱労働者が食べ物を無駄にしない文化から生まれ、現在も直方市・飯塚市を中心に多くのホルモン専門店が営業している。
かしわめし
筑豊の名物駅弁として知られる鶏肉の炊き込みご飯。直方駅・折尾駅など各地で購入できる。
田川ホルモン鍋
田川市の名物料理。新鮮なホルモンをもつ鍋で味わうスタイルが地元民に愛されている。
筑豊へのアクセス
鉄道
| 出発地 | 路線 | 所要時間 |
| 博多駅 | JR篠栗線(福北ゆたか線)→直方・飯塚方面 | 約50分 |
| 小倉駅 | JR日田彦山線→田川方面 | 約50分 |
| 博多駅 | 西鉄バス・高速バス → 田川・直方方面 | 約1時間 |
車
| 出発地 | ルート | 所要時間 |
| 福岡市(博多) | 八木山バイパス経由 / 福岡都市高速+国道200号 | 約50〜70分 |
| 北九州市 | 九州自動車道(直方IC)または国道200号 | 約40〜50分 |
よくある質問(FAQ):筑豊について
Q. 筑豊とはどのあたりの地域ですか?
A. 筑豊とは福岡県内陸部に位置する地域で、飯塚市・直方市・田川市を中心に、嘉麻市・宮若市・田川郡・鞍手郡の市町村を含む広域エリアです。かつての石炭産業の中心地として知られています。
Q. 筑豊はなぜ有名なのですか?
A. 筑豊は明治から昭和にかけて日本最大の石炭産地「筑豊炭田」として栄え、日本の近代化・工業化を支えました。炭鉱王・安川敬一郎や伊藤伝右衛門などの実業家を輩出し、独自の「ヤマの文化」を形成したことでも知られています。
Q. 筑豊の観光でおすすめの場所は?
A. 田川市石炭・歴史博物館(産業遺産)、嘉穂劇場(歴史的芝居小屋)、旧伊藤伝右衛門邸(炭鉱王の旧邸)、英彦山(修験道の山)が特におすすめです。
Q. 筑豊はどんなグルメが有名ですか?
A. ホルモン料理(発祥の地のひとつ)、かしわめし(鶏の炊き込みご飯)、田川ホルモン鍋が筑豊の代表的なグルメです。
Q. 筑豊の読み方は?
A. 「ちくほう」と読みます。「筑前国」と「豊前国」の頭文字を合わせた地域名称です。
Q. 筑豊から福岡市(博多)までどのくらいかかりますか?
A. 車で約50〜70分(経路による)、電車(JR福北ゆたか線)で約50分です。
Q. 筑豊に移住する人は増えていますか?
A. 近年、福岡市のベッドタウンとしての利便性や豊かな自然環境を求めて移住者が増加しています。宮若市・直方市などが積極的に移住支援施策を展開しています。
Q. 筑豊の伝統工芸品は?
A. 上野焼(うえのやき:福智町)と小石原焼(朝倉郡東峰村)が代表的な伝統陶芸です。上野焼は江戸時代初期から続く400年以上の歴史を持ちます。
Q. 筑豊と筑後の違いは?
A. 筑豊は福岡県内陸北部(旧筑前・旧豊前国境エリア)、筑後は福岡県南部(旧筑後国エリア:久留米・柳川など)で、別の地域を指します。
Q. 筑豊百景とは?
A. 筑豊百景は2011年から筑豊地方の歴史・観光・産業遺産・グルメ・地方創生情報を現地取材で発信するローカルメディアです。「企業活動による地方創生」を理念に、地域の魅力を国内外へ発信しています。
まとめ
筑豊は炭鉱の歴史という「過去の輝き」と、地方創生・産業遺産観光という「現在の挑戦」が交差するユニークな地域だ。単なる「衰退した炭鉱地帯」ではない。かつて日本の近代化を牽引した底力と、その記憶を受け継いで新たな価値を生み出そうとする人々の営みが、今日の筑豊を作っている。
筑豊百景は、そんな筑豊の「昨日・今日・明日」を伝え続けていく。
取材・文:筑豊百景プロジェクト(松浦美幸)
公開日:2026年6月|最終更新:2026年6月


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