
糸田町の宝、「おかつ味噌」とは
福岡県の筑豊地方に位置する糸田町は、その長い歴史と豊かな自然に育まれた食文化が残る町です。
この地で生まれた「おかつ味噌」は、地域住民の手によって代々受け継がれてきた、まさに“糸田町の味”を象徴する特産品。
一般的な味噌と一線を画す「おかつ味噌」の背景には、“本物の味”を追求し、後世へ伝えたいという郷土料理への熱い想いが息づいています。
厳選された地元素材への徹底したこだわり

おかつ味噌の最大の特徴は、糸田町および福岡県産の厳選素材のみを採用している点です。
米は地元農家が丹精込めて育てた「元気つくし」を、大豆は福岡県で評判高い「ふくゆたか」を、そして塩には伝統ある赤穂の甘塩を使用。
この組み合わせにより、味噌本来の旨味に雑味がなく、より穏やかな香りと深いコクが感じられる仕上がりになります。また、糸田町ならではの気候や水も、味噌の発酵・熟成の過程に絶妙な影響を及ぼしています。
麹(こうじ)は全て手作り。ひとつひとつ丁寧に仕込み、細かく管理された温度・湿度のもと発酵熟成させることで、麹菌が生み出す芳醇な香りと、やさしい甘みが味噌全体にじんわりとしみわたります。手間を惜しまない伝統の製法が、「おかつ味噌」の土台となっています。
長期熟成が生む深い旨味と豊かな風味

“本当に美味しい味噌は時をかけて熟成される”。
おかつ味噌はこの教えを守り、市販の味噌が3か月~半年ほどの熟成で出荷されるのに対し、1年以上にも及ぶ長期熟成(長期熟成味噌)を徹底しています。
この時間の経過が、複雑なアミノ酸や香ばしい香り、奥行きのある旨味を引き出し、唯一無二の味を生み出しています。塩角だけが立つことなく、どこかホッとするような、まろやかさと甘みが共存している点も特徴です。
地域コミュニティの力で守られる伝統の味
おかつ味噌は約12年前、町内の「糸田町ふれあい市加工部」の有志によって発案されました。
「糸田町が誇れる特産品を生み出したい」「次世代へ伝統を継承したい」という思いから、地域住民による自発的なボランティアにより、今も変わらず手作業で作られ続けています。
味噌作りは単なる食品加工にとどまらず、糸田町の人と人との結びつきや、支え合いの象徴でもあります。
おかつ味噌のアレンジメニュー ― 日常からごちそうまで
「おかつ味噌」は、その個性的でやさしい味わいから、多彩な料理に活躍できる点も大きな魅力です。
例えば、シンプルなみそ汁に加えれば、普段の食卓にふくよかな旨さと上品な香りをプラス。
さらに、きゅうりや野菜に直接つけて食べても良し、蒸し野菜のソースや和え物、炒め物の調味料としても相性抜群です。
また、マヨネーズやドレッシングと混ぜてみると、普段のサラダが一気にごちそうに変わります。
地元テレビ局のグルメ取材では、「おかつ味噌」を使ったアレンジメニュー「おかつバーガー」が大きな話題に。

茄子と挽肉を炒め、「おかつ味噌」でじっくりと味付けした丼は、白ごはんの甘さと味噌の旨みが絶妙に絡み合い、幅広い世代に愛される一品です。そのほかにも、味噌釜焼きや味噌漬け、グラタン、味噌ディップなど、アイデア次第で無限のバリエーションが楽しめます。
“ご当地ならでは” の味を全国へ ― 購入方法と展望
「おかつ味噌」の入手方法も広がっており、糸田町の道の駅や農産品直売所など地元での販売に加え、近年ではふるさと納税の返礼品としても全国の味噌ファンに届けられるようになりました。
オリジナルラベルやパンフレットが付いているものも多く、“糸田町ブランド”のPRと、さらなるまちづくりの活性化にも貢献しています。
「なくしてはならない味」を未来へ
地元では、「おかつ味噌を絶やしてはいけない」という気持ちが根強く残っています。手間がかかるからこそ味わえる、家庭のぬくもりと心のこもった伝統の味。糸田町民一人ひとりの郷土愛と連帯の証であり、失いたくないふるさとの象徴です。

おわりに
特産品としての「おかつ味噌」は、“ただの調味料”ではありません。それは、糸田町の風土・歴史・人々の想いが一体となって生まれる、唯一無二の“ふるさとの味”です。地域一丸となって継承される味噌を、ぜひ一度お試しください。きっと、新たな感動と豊かな食卓が広がることでしょう。
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