ローカル線鉄道の旅5選筑豊版 No.4 筑豊電鉄

Blog 筑豊見聞録

直方市にある筑豊直方駅から北九州市黒崎駅までの総延長16kmの区間を走る鉄道、それは筑豊電気鉄道として今にいたっている。田園風景から住宅街、黒崎周辺の北九州副都心部を駆け抜ける車窓は、短い営業路線でも小さな旅としてたのしめる。通称筑鉄、筑電とも呼ばれれ、愛嬌のある小さな車両が親しみを覚えるこの鉄道、筑豊での楽しみ方を提案みよう。

筑豊電鉄開業からのエピソード

筑豊電気鉄道が現在の営業路線を全線開通させたのが昭和34(1959)年、そもそもの計画は、北九州市から直方、飯塚を経由して福岡までの公共交通機関の設立であった。会社そのものが設立された昭和20年代の後半は、戦後復興と高度経済成長の勃興期であり、計画もそれを踏まえたものだった。しかし、昭和30年代にはいると日本政府はエネルギー革命が推進し、政策によって主要エネルギーを石炭から石油へと転換を迫った。この革命的出来事は、筑豊炭田の炭坑が軒並み閉山へと追い込む結果となった。この影響で計画は途中で頓挫し、路線も黒崎直方間の開通にとどまった。
路面電車にも似た車両が行き来するこの鉄道、開業当初は西鉄北九州線(北九州市内を運行していた路面電車)に乗り入れていたため、現在でも似たようなユニークな電車が走っている。コンパクトな車内もなぜかかわいらしく感じるところがあり、福岡県内では路面電車の風情を感じる路線がなくなった今、それがむしろ貴重かもしれない。沿線の人々にとっては生活の足であり何気なく通勤通学に使われているが、開業からのエピソードには知られざる秘話がある。

筑鉄のユニークな列車たち


直方がんだびっくり市

筑豊直方駅から次の駅として、感田(がんだ)駅がある。駅周辺は特に変哲もない住宅街であるが、徒歩で20分ほどの距離に明治屋産業株式会社という精肉卸業を主とした企業がある。こちらでは「直方がんだびっくり市」というイベントが週末金曜から日曜にかけておこなわれている。
東南アジアを彷彿させつような会場内は、今ではめずらしい対面販売。このため、売り手、買い手がコミュニケーションを交わしながら欲しい商品を探せる。扱っている商品は精肉をはじめ魚介や野菜など生鮮食品が立ち並ぶ。場内には屋台のようなお食事どころもあり、家族連れで訪れる姿が目立つ。
ことの始まりは、近くに住む人々からお肉は分けてほしいという声が多かったことからにあるそうで、それが次第に大きくなって今のような市場を構えるような形になった。筑豊の人々の恰幅の良さ、川筋気質のから竹を割ったような単純明快さが、提供されるサービスにあらわれたイベントとして定着している。例えば500円で食べれる「石焼ビビンバ」や、厚みがあるため立つステーキと呼ばれる「レンガステーキ」は、この量でしかもこの値段!?と口コミ評価も多い。

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長崎街道の宿場町 木屋瀬

小倉城の近くにある常盤橋を起点として、長崎までは長崎街道として知られた古くからの道。遠賀川のほとりにある木屋瀬は、長崎街道の宿場町として知られ、ここより先は遠賀川に沿うように飯塚方面へと向かう。

(長崎街道についてはコチラもご参考を

「街道ゆく 筑豊版」⇒https://chikuhoroman.com/humanism/kaido/
現在では筑豊地方という圏域には含まれていない木屋瀬だが、筑豊炭田と呼ばれた地域はこの地を含む遠賀川の河口付近まで炭坑が連綿と位置していた。さきほど話した感田駅からは2つ目の駅にあたる。
歴史をさかのぼれば、木屋瀬の地名は15世紀には見られ、麻生氏勢力下での水上交通の要衝だったと考えられる。文明12(1480)年には、連歌師として全国的に知名度が高かった飯尾宗祇が宿泊したという記録もあり、街道が整備された江戸時代より古い歴史を持つことで知られている。このような認識から周辺では発掘調査がたびたびおこなわれ、次第にその実態もあきらかになってきている。
町中には古くからの商家が立ち並び、その多くが明治時代以降の建物と推測されるも、当時の面影が良く残る。伝統的な景観を活用し、地元の人々が地域づくりに一工夫二工夫と重ね、例年秋に開催される「筑前木屋瀬宿場まつり」では多くの人々でにぎわう。
木屋瀬地区の詳細はコチラ→https://iko-sumo.jp/burattosanpo/

おわりに

筑豊電鉄をまだ乗った事がないという方は、意外と多いかもしれません。そんな方には、上記2つのプランを参考にしてもらえれば幸いです。びっくり市で買い物や美食を、そして木屋瀬で散策やショッピング、体験ワークショップなどを楽しむと1日では足りないと感じるかもしれません。また、新たな発見になると思います。車窓からの風景とともに、思い出の1ページとして、みなさんのお役に立ちますように。

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