ローカル線の旅5選筑豊版 No.1 平成筑豊鉄道

筑豊の歩き方

 全国各地にあるローカル線、車窓からの景色やゆったりとした時の流れを満喫できるとあって、根強いファンが多い。イベントや車では味わえない雰囲気がなんともたまらないという人も多い。そうでない人もこの機会に好きになってもらえればと思う。筑豊にもローカル線が元気に走っている。それも独特の景観と沿線の魅力に囲まれたローカル線を、厳選5つ紹介したいと思います。そのトップバッターとなるのは平成筑豊鉄道です。

 筑豊地方に走る鉄道は、全国的に見ても古い時期に造られたものが多い。この周辺でもっとも古いものは明治25(1892)年のものがあげられる。新橋横浜間の開通から20年あまりが経過してからとなるが、この間、主に本線と呼ばれる路線が着々と整備されていった。この一方、地方鉄道への開発は限定的に留まっていた。こうした当時の時勢から考えれば、石炭への期待を寄せられていた筑豊は、北海道とともに他の地方鉄道よりも先駆けて整備された傾向にある。

 こうした時代に開通した各路線は、筑豊にはいくつもあるが祖のほとんどは廃線となり今はみることができない。しかし、いくつかの路線は明治期に開業したものもあり、古くからの景観も残されているところもある。その一つが田川線と伊田線で、今では地域住民から「へいちく」の愛称で親しまれている列車が駆け抜ける。平成筑豊鉄道株式会社が管理運営し、この略称が「へいちく」というわけだ。

 さて、クローズアップする沿線は直方市から田川市を経て、福岡県の東よりにある行橋市へと至る。総延長は約42.5㎞ほどと鉄道としてはそれほど長距離とは言えない。ちなみに直方から田川伊田間(伊田線)が明治32(1898)年に全線開通、田川伊田から行橋間(旧田川線)は明治28(1895)年に開業した。とともに100年を超えた歴史をもつ。

 特に田川線の区間は、土手を造成した路床が開業当時からの姿と言われ、そのところどころには古き趣きのあるレンガアーチ橋やトンネルが現役で活躍している。その景観は見る人によってはタイムスリップしたかのように思わせる。現代では数少ない明治期の鉄道の姿が目の前に広がる。コンクリートと高架線によって近代化した鉄道が主流の今、明治期の鉄道路線が現役であるというは歴史的、文化的に価値が高い。

 平成筑豊鉄道(地元の愛称はへいちく)は平成元年に生まれた第三セクターの鉄道会社。廃線の危機となっていた旧田川線、伊田線、糸田線と、貨物支線(金田船尾間)を営業路線として再出発した。開業当初は「ローカル線の優等生」とも言われ、健全経営の三セクとして知られていた。しかし、近年は少子高齢化の波による旅客数の減少と、貨物支線の廃止にともない苦境にある。

嘉麻川橋梁を走るへいちく「なのはな号」

オススメポイント その1 ことこと列車

 へいちくは沿線自治体とともに地域の活性化に取り組んでいる。最近では「ことこと列車」というネーミングで、レストランのシェフ監修のもと車内で本格フレンチをたのしみながら、列車の旅を満喫するプランが生まれ、数か月先まで予約がいっぱいとなるほどの盛況を博している。

 

ことこと列車

 時速40km前後の速度でゆっくりと動く車内は、水戸岡鋭治さんという工業座デザイナーで、国内外からの評価の高い技術をもって生まれた。岡山県出身の水戸岡さんは、家具店に生まれ小さいころからデザインに親しみ、JR九州の車両デザインを手掛けるようになってから次第に注目されるようになった。車両のデザイン以外にもグッドデザインの認定を受けたこともあるという。その類まれなセンスが、ことこと列車に凝縮されている。

 車両内外の美しさに加えて、訪れる人々をもてなすのがコース料理。こちらは、福岡市の西中洲にフレンチレストラン「La Maison de la Nature Goh」を営む、福山剛さん監修のもとで生み出されるフレンチがテーブルを彩る。ワインがよくすすむ料理は、列車の心地よい揺れとともに快適な時間を演出してくれる。ローカル線に興味がない人でも、一度は乗ってみたいと思えるのがことこと列車の魅力言える。

オススメポイント その2 体験運転

 廃車となる予定のディーゼルカー(キハ2004)を、クラウドファンディングによって入手し、本社のある金田駅構内で体験運転をするという企画もおこなっている。近年毎年秋の恒例となっている「へいちくフェスタ」でもお披露目され、周辺テナントの出店やステージイベントもあわせ、にぎやかに秋の彩りを添えている。

 少し前までは現役の鉄道車両として現役だったキハ2004、緑の景観の中を走る光景も見てみたいところだが、何より体験運転ができるということは大きい。子どもの頃、電車の運転士になりたいと思った方も多いだろう。そういった方には、子どもの頃の夢をあらためて実現できるチャンスでもある。

 

100年を超える歴史を刻みながら、現役であり続ける歴史的価値の高い沿線を眺めながら、趣向を凝らした「おもてなし」で鉄道の魅力を満喫する。全国的にもオリジナリティの高いローカル線の旅は、平成筑豊鉄道の挑戦とともにまだまだ続く。そこに暮らす人たちの大きな声援を受けながら。

上記内容の詳しいポイントは以下のサイトからご確認ください。

平成筑豊鉄道HP「へいちくねっと」⇒http://www.heichiku.net/

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